こんにちは。ABC Music Schoolギター科講師の清水宥人です。
今回はピックの材質が音にどんな影響を与えるのか実験してみました。
録音はLINE6 HELIXにて行いました。
もちろんアンプの設定は全て同じで弾いています。
何はともあれ、まずは動画をご覧ください。
ピックの種類
今回の動画の中で使用したピックは5種類。
ピックにはもっとたくさんの材質があるのですが、特に違いがわかりそうなものを比較してみました。それでは、動画で紹介した順に見ていきましょう!
TORTEX(トーテックス)
トーテックスはJIM DUNLOP社独自の素材だそうで、触り心地はなんとなくメントスに似ています。
ピッキング時の音が「カツカツ」という感じ、弦抜けは少し悪いですが少しの引っ掛かりが弾いていて心地よく感じました。
自然とロックなプレイになるピックだと思います。
出音に関して言いますと、このピックの普及率を考えても実にフラットだと思います。
今回はこのピックを基準に考えていきます。
セルロイド
Fender社のピックには2種類あり、今回使ったEXTRA HEAVYの材質を正確にはプレミアムセルロイドと呼称しているようです。
出音はローミッドのふくよかな印象で、カッティング時の箱鳴り感が強調されて聞こえます。
リードトーンも心なしか太く聞こえますが、分厚いピックなので細かい力加減が難しいピックでもあると思います。
ウルテム
人間の爪の材質に近いとされるウルテムはトーテックスに似ていますが、音の瞬発力はウルテムに軍配が上がるように感じます。
クランチ時に巻き弦をピッキングしている時、ピックが触れてから音が出るまでの時間がトーテックスより短いですよね。
また今回使用したSCHECTER社のものはマットな仕上げがされており、弦離れが良いのに噛み付く感覚も残っていると感じました。
出音は比較的まろやかですが、発音が良いのでかなりバランスのとれたピックだと思いました。
と絶賛しておりますが、僕がいつも使っている材質がウルテムであることとは関係ありません。断じて。
ナイロン
この材質はウルテムの真逆でとにかく発音が遅いです。
ピックの当たる音が「パチパチ」という感じで出音に芯がある感じ。シチュー的なコクがあります。
弦離れがとにかく良くて音の粒も揃っているので、早いパッセージもスルスルと弾ける印象。
また、深く歪ませても音に立体感が出ると感じるのはこの材質だけかなと思います。
ローズウッド
この材質、一聴してきらびやかですね。
コードがザクザクと弾ける印象ですが、単音となるとピック自体の反発が無さすぎて音の芯を捉える前にスルスルと抜けていく感覚がありました。
弦離れは最高クラスがゆえに弾きにくく感じました。
何事もバランスが大切ですね。
しかし出音は特徴的で、強く弾くとトレブリーなのに弱く弾くと途端にコロコロした部分だけ残ります。
これは材質というよりもピック自体が分厚すぎるゆえかもしれませんが、きっとこの硬い素材にも影響されていると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実際に使いそうな音色とフレーズで比較した動画から、さらにピックの材質による音の違いを感じていただけたらなと思います。
ABC Music School ギター科講師
清水 宥人