ピックアップについて~ハムバッカー・ピックアップ編~

今回のテーマは「ハムバッカー・ピックアップ」について。
前回お話しした「シングルコイル・ピックアップ」と対をなすのが「ハムバッカー・ピックアップ」です!
見てお分かりになると思いますがマグネットの列が2列になっているので、まずサイズ感がちょうど2倍になっています。
前回の記事で触れた「シングルコイル・ピックアップ」のノイズが乗りやすいという点を劇的に改善した設計を採用したのが「ハムバッカー・ピックアップ」な訳です。
「ハムバッカー・ピックアップ」は2つのマグネットの列のうちの1列がノイズキャンセルの役目を果たしているというのはよく聞きますが、今回の記事も前回同様その詳しい構造やマニアックな内容ではなく「ハムバッカー・ピックアップ」の一般的な知識とサウンド傾向などについてまとめたいと思います!
それでは早速行ってみましょう!
呼称
まずはその呼称や表記。
「ハムバッカー」
「ハムバッカーP.U.(ピックアップ)」
「ハム」
など。
ギター本体を見ればすぐにわかるパーツですが、ギターのスペック表には「H」と表記されることもあります。
例 Front Pickup:H
サウンド
「ハムバッカー・ピックアップ」はコイルの巻き数を増やす事でパワーを稼ぎ、片方のマグネット列にノイズキャンセルを担当させる設計なので高出力且つ低ノイズを実現したのです!
故に音にはパワーがあり、厚みと温かみがあると筆者は感じます。
この辺の形容についてはそれぞれでいいと思いますが“太い”という言葉を使うと色んな論争が巻き起こりそうなのであえて割愛させていただきます(笑)。
中低音がよく出るというのが通説です。
バリエーション
リプレイスメントパーツとして手に入る「ハムバッカー・ピックアップ」はピンキリで、「シングルコイル・ピックアップ」よりも値段の差があります。
中にはある特定の年代に開発された“ヴィンテージ”と呼ばれる希少個体などは数十万円で取引されます(笑)。
・“ヴィンテージ”感を再現したピッキングの反応に優れた低出力タイプ
・パワー感をさらに増した高出力タイプ。
・ヘヴィメタル等特定の音楽ジャンルに合うような歪み方をするよう設計されたモデル。
・電池で駆動するアクティブタイプもあのメーカーから出ていますね。
オススメ音楽ジャンル
かつての名プレイヤー達が愛用してきたギブソン社の「レスポール」というギターに標準仕様で載っていたピックアップなので、その守備範囲の広さや迫力あるサウンドは歴史が証明しているといっていいでしょう。
歯切れの良さ、でいえば確かに多くの方々(全員ではないかもしれないという意)が「シングルコイル・ピックアップ」を選ばれるかもしれませんが筆者としてはロベン・フォードのあの音圧のある”壁“のようなカッティングもめちゃくちゃかっこいいと思います!
・「ハムバッカー・ピックアップ」特有の温かさ、甘さがジャズやブルース、メロウな音楽にピッタリ!
・グシャっとした轟音でロック!
・メタル用激歪みサウンドも◎!
要するに何のジャンルだろうがスピリットがロックな音が出るということです!
まとめ

音の印象というのは演奏する音楽ジャンルやスタイルにかなり左右されますが、ロックなら最高だったけど違うジャンルだったらいまいちハマらない…というのはよくある事です。
今回の記事と前回の記事を読み比べていただくとそれぞれのピックアップのサウンドの傾向の違いがわかると思います。
「本当に自分が出した音はどんななのか?」というのをよく吟味していただくと、ご自身に合ったピックアップ選びができるかもしれませんね!
筆者的には”漢“なら「ハムバッカー・ピックアップ」でしょう!(笑)
以上の内容をまとめると、
1.呼称
「ハムバッカー」、「ハム」、「H」等…
ギターのスペック表を見慣れるためにも!
2.サウンド
甘く、温かみのある音!
中低音がよく出るというのも通説でパワーがある!
3.バリエーション
”ヴィンテージ“系~ハイパワー系等。
歪み方がメタルギタリスト向けのモデルなども存在しています。
4.オススメ音楽ジャンル
ジャズ~ヘヴィメタル。
やっぱ”ロック“っていったら「ハムバッカー・ピックアップ」でしょう!
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!