こんにちは。ABC Music Schoolギター科講師の清水宥人です。
今回は前提として、LINE6 HELIXをリターン刺しで本物のアンプのように使う方法を使って、どれだけ聴感をアンプに近づけられるかというのを実験してみたいと思います。
HELIXのアンプシミュレーター部分は大まかに分けて二つあり、
- 通常のアンプと同じパワーアンプ + プリアンプの「アンプ」ブロック
- 上のプリアンプ部のみを抜き出した「プリアンプ」ブロック
今回の使い方では②のプリアンプ部のみを使い、Roland JC-120のリターンに刺して使います。
ちなみに実際のアンプのキャピネット出ているのでHelix内部のキャビネットシミュレーターは使いません。
アンプシミュレーターでどんだけ迫力のある生音を出せるか、的な感じですね。
それではいってみましょう。
アンプシミュレーター感が出てしまう理由
どうしてもありますよね。デジタル臭さというか、本物のアンプで鳴ってない感。
これには音量感や実際の歪み量が関係してくると考えます。
例えばこの画像ってなんだか違和感がありますよね。
向こうに見えているものとの距離感だったり、光の当たり方や光量などが明らかに変です。
このように擬似的に再現した物を自然な状態でその場にあたかも存在しているかのように表現するには、や色調などを周りになじませてあげる必要があります。
(画像編集の技術は素人なので悪しからず…。)
“音量”と”歪み量”が音の近さを決める!
アンプシミュレーターを介して出た音って少し遠く感じると思うのです。
少なくとも僕はそう感じたのですが、それの原因は歪み過ぎている事と小さすぎる音にあります。
歪んだ音って、迫力があるように聞こえますよね。しかし音量を上げるとハウリングしてしまう…。
だから自然と音量を下げがちなんですね。
ズバリ言います。
リアルでアンプライクな音に仕上げるコツは、
まずはじめに自分がモニタリングしやすい音量に設定した上でハウリングが起こらないところまで歪み量を減らす。
これが基本中の基本だと考えてください。
そうした上でもブンブンと気になる低音や、カポカポという変な箱鳴り感は出てきます。
そこをプリセット全体に効くGlobal EQで少し調節しながら音作りをしましょう。
ここで注意が必要なのですが気になる帯域をカットしすぎると、音作りの最中は気付けないけど後で聞きなおしてみると酷い音になっていることがあります。
必ず実機のマーシャルなどと比較しながらGlobal EQを調節していきましょう。
そして最後に一番陥りやすい最大の思い込みを取っ払います。
シミュレートされたアンプをイメージしない
これに尽きます。
自分が好きなアンプや憧れのアンプをシミュレートとはいえ実際に使えると誰しもがテンションが上がりますよね。
しかしここに大きな落とし穴があります。
好きなアンプのシミュレートで実機に近づけて音を出そうとすると、自分の理想とする音とシミュレーターで作れる音の差異でうまく音が作れません。
ここで提案するのが次の方法。
シミュレート元のアンプがなんなのか、なんて関係ない
極論です。
タイトルとは真逆なことを言った上にアンプシミュレーターを買う層のロマンをぶっ壊し、アンプシミュレーターを制作されたメーカー様にも失礼な暴言だということは承知しています。
これは、良い音を出したいから買うのか自分の理想のアンプメーカーの音が出せるから買うのかで賛否が分かれるところかも知れません。
しかし僕は声を大にして言いたいと思います。
アンプシミュレーターを使って良い音を作りたいなら、好きなアンプのブランドではなく、実際に好きな音が出るアンプのシミュレートを探して選び、音作りするべきです。
どんなに好きなアンプだったとしても、自分が想像することができない音は作れません。
好きなアンプだから! とそのアンプのシミュレートを選んで四苦八苦している内にどんどんリアルな音から遠ざかっていってしまうのです。
まとめ
今回のテーマで音作りをするためには、Roland JC-120が必要不可欠です。
自宅での音作りはほぼ不可能ですよね。
この記事にある知識を使って実際にリハーサルスタジオのアンプで音作りをしてみましょう。
また、スタジオに実機のマーシャルがある場合はその音と比較しながら音量感や歪み量を調節していくとより迫力のあるリアルな音を作れるはずです。
また、Helixを持っていない方はこの記事を通して少しでも興味を持っていただけると幸いです。
それではまたお会いしましょう。
ABC Music School ギター科講師
清水宥人