未知との遭遇!? ∼ダブル(マルチ)ネックギター編∼
今回はギター界の宇宙人的存在、「ダブル(マルチ)ネックギター」についてお話をしようと思います!
先日ギターレッスン中にこんなご質問を頂きました。
「ギターが二つくっついてるのってなんか特別な機能があるんですか?」
確かに、人間が2本の腕で演奏できるのはどう考えてもギター一本のみ。
アメリカ人ギタリストのマイケル・アンジェロのように、両手レガートで2本のネックがついたギターを弾きまくる特殊スタイルでなければ必要ありません。
かといって年末のこの時期、テレビをつけていると音楽番組などで「Hotel California」のMVが流れ、ネックが二つあるギターを抱えているが映っているじゃありませんか!?
ネックが2本のものを“ダブルネック”、
3本以上(重すぎて絶対翌日病院行き(笑))のものを“マルチネック”
と呼んだりしますが、何をもってネックを増やした設計になっているのか、について焦点を当てていきたいと思います!
それでは早速行ってみましょう!
ルックス
まずは見た目のインパクト!
これは少なからずあると思います。
1曲の中でチューニングが違うギターを弾き分けなきゃいけない時など、わざわざギター約二つ分の重さもするダブルネックギターを抱えるより、肩に1本、立演奏用ギタースタンドにもう1本立てたほうが確実に体力的に楽だと思います。
見た目のインパクトも大、腰へのインパクト(重量)も大ということです(笑)。
それでもわざわざダブルネックギターを使うというのはそのインパクトのあるルックスのギターを抱えて、楽曲を“見た目的にも引き立てる”という意味合いもあるんじゃないかと筆者は思います。
チューニングが違う
先程も触れましたが、2本のネックそれぞれの「チューニングが違う」ということが考えられます。
ギターには一応基本のスタンダード・チューニングというものがありますが、ほかにもオープンチューニング、ダウンチューニング、その他変則系チューニング等弦のチューニングの組み合わせはここに書ききれないほどあります。
ブルースやカントリーミュージックなどで頻繁に使われるボトルネック奏法(“ネック”は記事の内容とは関係なく筒状のパーツを左手にはめて弾く奏法)は、
オープンGチューニングには上のネックで、
ソロはスタンダード・チューニングの下のネックで、
といったように瞬時に弾き分けることができます!
余談ですが、ギターはこうした実は「チューニングさえもルールがない」というあたりも“自由の翼”を持った楽器だと思います!
タイプの違うギターが組み合わさってる
もう一つ考えられるのが「違うタイプのギターが組み合わさっている」ということ。
上側が12弦ギター、下側がエレキ(「Hotel California」のやつです!)。上側がエレアコ、下側がエレキ。
他にもエレキベースとエレキギターの組み合わせや、クラシックギターとエレキギター、フレットレスと通常のフレット有ギター、片側だけトレモロがついていたり、それぞれのネックで違うピックアップやパーツを組み合わせたものまであります。
まとめ
エレキギターとなると“メカ”感がプレデターのほうがあっているようにも思いますが…。
まあそんなどうでもいいことはさておき、以上の内容をまとめると…
ダブルネックギターってなんなの?なんで使うの?
1. 「ルックス」 奇抜、ちょっと“突き抜けた”見た目!
2. 「チューニングが違う」 ネックそれぞれのチューニングを変えておくことで瞬時に弾き分けられる!
3. 「タイプの違うギターが組み合わさっている」 12弦ギター×エレキ、エレアコ×エレキ、ベース×ギター…等
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!