はじめてのおつかい〜ワウ・ペダル編〜

はじめてのお遣い〜ワウ・ペダル編〜

こんにちは!ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀です。今回はワウ・ペダルについて、買う前に知っておきたい点をいくつかお伝えしたいと思います!「こんなはずじゃなかった…」「思ったほどエグい音が出なかった…」等、一昔で言えば“成田離婚”なんていう言葉がありましたがそう言ったことにならないよう、ワウ・ペダル選びに知っておきたい豆知識をご指南できればと思います。それでは早速いってみましょう!

ワウ・ペダル様…そもそもあなた何者?

エレキギターを始めて少しすると誰もがエフェクターというものに興味を持つようになる…と筆者は信じている。ロックギターにぴったりな、音を過激にするオーバードライブ/ディストーション、クリーンアルペジオにぴったりなコーラス、音がやまびこのように再生されるディレイ…その他ピッキング すると爆発音が鳴るという奇抜なアイデアのものも存在するが、果たしてワウ・ペダルとはなんなのか少し触れておきます。
ワウ・ペダルというのは単に一回踏んでスイッチをオン/オフするという物ではない。車のアクセルペダルのような形をしており、ペダル自体をオンにしたら足を使って前後に踏み込むようにして操作します。ここで一つ知っておきたいのは音程ではなくて音質を操作しているということ!踏み込む角度によってブースト(強調)される周波数が変わりそれを細かく操作することによってあの「クワっ」という効果が得られる。簡単に言えばギターのピックアップセレクターを瞬時に切り替える、もしくははトーンノブをめちゃくちゃ早く回す、ような効果に近いですね。最もワウ・ペダルの方がブースト効果が遥かに高いためより耳につく音質変化を感じれますね。

”ラブストーリーは突然に“!? 偶然の産物であったワウ・ペダルの歴史

1966年に開発され1967年から発売されたワウ・ペダル。この誕生秘話に迫るドキュメンタリー映画「Cry Baby – the Pedal That Rocks the World」によるとワウ・ペダルというものは偶然の産物であったそうです!当時のVox Super Beatle というアンプのコストを下げるために中音域をブーストするためのMRB(Mid Range Boost)スイッチを分解して可変抵抗器に移してギターを繋いでノブを回したら「クワっ」と鳴った、というのがそもそもの始まりである。ギタリストは演奏時は両手が塞がっているのでこれを足で操作できるようにしたのがワウ・ペダル。以降のギター史を大いに変えていく歴史的発明によって、ギタリストにとって“離れたくても離れられない”エフェクターが誕生したのです!

マニュアル車 VS オートマ車

現在ワウ・ペダルは定番モデルからアーティストモデル、改良モデルなど世の中には数え切れないほど多くのものが存在します。そしてそれらを2種類に分ける要素。操作性に大きく関わる部分なので知っておいて損はないですよ〜!そう、そのペダルをオン/オフするスイッチが手動か自動か、ですね!

・マニュアル車タイプ
Jim Dunlop社やVOX社に代表されるような、”マニュアル車“タイプは文字通り手動タイプに分類されます。エフェクトを使いたい時に一度奥までペダルを踏み込んで足先で「カチッ」としなければならない。同様にエフェクトをオフにするときも踏み込んでスイッチを切ってやらなければなりません。

・オートマ車タイプ
Morley社に代表されるような”オートマ車“タイプは足を乗せるだけでエフェクトが自動的にオンになります。これは速弾きギタリスト等、演奏中は極力手元に集中したいというプレイヤーにオススメ!

夜間”奏行“にはライトを!

もう一つ知っておきたいのがオン/オフを瞬時に確認できるかどうか。現代の多くのエフェクトペダルはオンにすればLEDが点灯して、そのオン/オフ状態を確認することができるようになっている。しかしワウ・ペダルにおいてはその限りではありません。
暗いステージでLEDのついてないワウを踏む事はまさに真っ暗な道でヘッドライトを点灯せずに運転する事と全く同じ…とまではいかないが、演奏”事故“のリスクを出来るだけ減らすためにもLED搭載モデルを選ぶことを筆者はオススメします!
またLEDが付いている箇所にも気を配っておきたい。というのもペダルの先や両側面についていれば難なく確認できるがかかと部についていると実は見にくい、という場合がある。かと言ってアーティスト達も案外LEDがついていないモデル、かかと部にLEDがついているモデルを使っているようで、世に出回っている製品の多くはプロ仕様だと言えます。要するに”自分の音をコントロール“できていれば何も問題ないですね!

恋人もワウ・ペダルも十人十色

ブルース系アーティストは効果が緩くマイルドな音質特性のものを、ハードロック/ヘヴィメタル系アーティストは鋭く、エグい効果のものを選ぶ傾向にあると思う。さらにはモデルによってはその音質特性を微調整出来るモデルも存在します!
代表的なのがJim Dunlop社の535Q Multi Wahだろう。”スイス・アーミーナイフ“と称されるこのモデル、ペダルで操作する周波数帯や波形を調整でき、さらには最大で+26dbのブースト機能も搭載している至れり尽くせりなモデルです。
ジャズをやるのにディストーションを選ばないのと同様に、ゆるいR&Bにエグいワウはいらないだろう。まあそれはそれで面白そうだが…(笑)。かつて筆者が見に行った日本を代表するフュージョン系ギタリストのライブではJim Dunlop社のKH-95(カーク・ハメットモデル)を使用していたのを覚えています。

要するにやりたい音楽に合った音が出せればいい!Jim Dunlop社に限らず他社製品、他モデルの搭載機能の下調べも是非しておきます!
※ACアダプター端子がないVOX社846-HWのような落とし穴的モデルもあるので注意を

まとめ

筆者は愛用しているJim Dunlop社のDB-01 Cry Baby from Hell (ダイムバッグダレルモデル)にたどり着くまでに幾度と買い直しを経験しましたが、そんな”ワウ難民“をできるだけ救いたいと思い立って書いてみましたがいかがでしたでしょうか?

1・スイッチが手動なのか自動なのか
2・LEDの有無
3・自分の出したい音を知る

以上の3点について知っておくとよりスマートなワウ・ペダル選びをできると思います。
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!

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