Contents
J-POP、ロックで素敵なストリングスアレンジをやってみましょう!
皆さんストリングス、何となくアレンジしちゃってませんか?J-POPやロックでストリングスは非常によく使われる楽器ですよね。
ちょっと気を使ってアレンジすると、打ち込みでもより素晴らしいアレンジになりますので是非ワンランク上のストリングスアレンジに挑戦してみて下さい!
今回は参考曲として、J-POPで多く使われるようなコード進行にわかりやすいストリングスアレンジで作ってみました。
使用している音源は以下の2つです。
・ストリングス=Garritan personal orchestra
・ピアノ=Ivory II
まずはスコアを見つつ音源を聞いてみましょう。譜面が読めなくてもokですので、読めない方は音の展開をなんとなく頭に入れていきましょう!
ストリングスアレンジの楽器編成
生のストリングスを意識して打ち込む場合、高音パートから、
・1st バイオリン
・2nd バイオリン
・ビオラ
・チェロ
の4つの音でアレンジするのが基本です。これを4声といいますので、覚えておきましょう。
チェロよりさらに低音の担当としてコントラバスが入る場合もありますが、エレキベースを入れる場合は入れないことが多いです。低音域で音が被り、濁るので入れない事が理由となります。
ジャンル別ストリングスのアレンジにおける役割り
ロングトーンで楽曲に壮大さを出したり、コードを補ったり、音に厚みを出したり、メロディーを演奏したりと様々な役割とで使用される。
ジャミロクワイやアース・ウィンド・アンド・ファイアーのような楽曲では、音の立ち上がりの早いくパッセージでエキサイティングな印象を与える。
ないところを補うことも、ストリングスアレンジの大事な役割です。
ストリングスアレンジで注意すべき2つのポイント
Point.1~コードトーンをむやみに動かさない~
まずはPoint.1を聴きながら譜面を見てみましょう。
ストリングスのバッキングはまず、前後のコードの中で同じコードトーンを見つけること。そしてコードトーンを無闇に動かさないようにステイさせながら、時にコードにテンションを加えていくと浮遊感が出て良いと思います。
ポップスやロックの中だとピアノやギターなどすでにコードを奏でる楽器がいる事が多いので、コードトーン毎に音が変わるとどこか雑多で忙しない印象を与えてしまいます。それらに注意しながらアレンジをするとよいと思います。
ストリングスの持続音は、美味しい帯域が女性ボーカルとよく被りますので、ボーカルと音がぶつからないように細心の注意を払いましょう!
無闇にフレーズを動かすとボーカルを・もっというと楽曲自体を駄目にしてしまいます。
Point2~~ボーカルのメロディーと入れ違いでオブリを入れよう!
次に譜面のPoint2をみながらフレーズを聞いてみましょう。
サビなどで壮大な演出をしたい時は、上でも書いた通り、基本あまり音が上下しないようにして浮遊感のある演出をします。
そしてボーカルのメロディが途切れた時にオブリガードとして少しフレーズを入れる(point.2)。こうすると今まで動きが少なかった分、わずかに動いたフレーズでもとても映えます。
ご自身の楽曲で是非試してみてください!
実践!3つのアレンジ例
色々なテクニックを入れてみました。
4声が全員でハモったり(point.3)、2声ごとにメロディとバッキングに別れたり(point.4)、時には対位法で別の動きをする(point.5)なんて事もできます。
これらはあくまでも一例ですので、楽曲の盛り上げなどを考えて色々なアプローチを知っておくと良いと思います。まずは見よう見まねでもokですので、ご自身の楽曲でアレンジを行ってみてください。今までより少し違ったきっかけが得られると思います。
ボイシング(音の積み重ね方)3選!
AメロやBメロからストリングスが入り徐々に盛り上げサビ頭で一番盛り上がるようにしたい場合(王道!)、ベロシティや音量で盛り上げる事も大切ですが、ボイシングにも注目してみましょう。
クローズドボイシングで「注目させる」
point.6に注目です。
クローズドボイシング(音の積み重ねを狭くする)でビオラ、チェロの2声で入っています。音数が少ないことで、2つの音それぞれに注目させることができます。物語のはじまりを予感させるような印象を与えられるアプローチとも言えますね。
オープンボイシングで「開放感を演出」
point.7へいきましょう。
徐々に盛り上がって行くながれに沿って、Aメロ途中で2ndバイオリン、Bメロから1stバイオリンが参加してボイシングを広げていきます。サビ前ではこのように楽器隊を増やしていき「サビに行くぞ〜」といったオープン気味のボイシングにするのが基本であり、おすすめです!
ユニゾンで「インパクトを演出」
point.8
こちらではBメロの1stバイオリンに注目です。実は1stと2ndバイオリンがユニゾンしています!
音を足したいけど厚みを出し過ぎたくない時やボイシングを増やしたくない時などにユニゾンはとても有効です。ユニゾンしつつ、メロディを弾く時だけハモるという手もあります。曲が最高潮に盛り上がっている時や、一番伝えたいメロディーを聞かせる時なんかにぴったりハマるアプローチと言えるでしょう。是非試してみてください。
これはズバリ、サビ前でトップの音はボーカルより上の音域にいかない事です。
ボーカルより上に持っていくならサビなど壮大な演出をしたい箇所に限定して、1stバイオリンと2ndバイオリンでボーカルを挟んであげると美しい世界観が作れます。
また、ユニゾンさせる時にはそれぞれの音色を別のものにしましょう。全く同じ音色だとユニゾンをしてもそこまで印象が変わらない可能性があります。
オクターブでフレーズ&ハモりで「ほどよい主張」
point.9
最後に、サビの1stと2ndバイオリンを聞いてみましょう。
基本的にはオクターブで同じ動きをして、メロディを演奏する時はハモっていますね。
オクターブでフレーズを入れる事でストリングスのパートが目立ち過ぎず、しかし丁度良く主張してくれます。メロディだけハモるとフレーズが1歩前に出てきますので、目立たせたい箇所をハモらせています。曲によっては1stと2ndバイオリンはずっとオクターブで入っていても良いかと思います。
まとめ
今回はJ-POP、ロックにおけるストリングスアレンジを書いてみましたが、もちろんアレンジにルールはありませんし、やり方はもっと沢山あります。
色んな曲を聞いてコピーして研究してみて下さいね!
以上、ABCミュージックスクールDTM教室科・菅谷豊でした。
また次回、お会いしましょう!