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作曲・編曲を知ろう! 第2弾 大人気楽曲「紅蓮華」の作曲・編曲解説 その ~ギター、その他~
人気アニメ「鬼滅の刃」の主題歌にもなっているLiSAさんの「紅蓮華」の作曲、編曲について引き続き解説しています!
今回はギター、その他のシンセなどの楽器です。
先ずはドラムとピアノを鳴らしつつ聞いてみましょう。
Aメロはギターがフィードバック(アンプにギターを近づけノイズを出す奏法)のみなので省略しました。
スタジオで爆音でギターを鳴らすという奏法の特性上、DTMで再現する場合はサンプルのオーディオを持ってくるかシンセで作るといいでしょう。
ギターが入ってくるまでは前回のピアノ等を確認してみてください!笑
はい!相変わらずメリハリのためのパートの少なさですね!
それではエレキギターという楽器の特性をご紹介します。
ギターチューニング
エレキギターは基本的に6本の弦を必要に応じて使い分けピックで弾くという楽器です。
チューニングは6弦目から(E、A、D、G、B、E)となっています。前回のベースと途中までは同じチューニングです。
見た目も似ていますが一番の特徴は和音を弾くということです。さらにベースに比べて基本的な奏法の種類が多いのも特徴です。
そして今回はオチを先に言いますが、
7弦ギターというものも存在し、その際7弦目のチューニングは低いB(シ)となります。
紅蓮華は低いC(ド)の音が頻繁に使用されているので、原曲は7弦ギター、もしくはドロップCチューニングですね。
ドロップCチューニングとは全ての音を1音下げさらに6弦目をもう1音下げる(C、G、C、F、A、D)というチューニングです。
もし本格的にこのチューニングにする場合は弦のゲージを変えたり、ギターを調整したりする必要があります。
一般的なギターでも可能ですが、弦がゆるゆるになってしまいノイズが乗りやすかったり弾くのが困難になってしまいますので、実践で使うのは少し面倒です。
そして7弦のギターも認知されてきたとはいえまだまだ持っている人のほうが少ないと思います。
というわけで…、今回はレギュラーチューニングで弾く方法を選んでみました!!
また少しでも音を重くするための技術として、常に6弦の音を使うようにしています。
後述するパワーコードでEmを弾き、そのままCを弾く場合は、5度を一オクターブ下げて6弦を使用するようにしています。
ギター奏法
先ほどたくさんの奏法が存在すると言いましたが主に紅蓮華で登場するのは、
・パワーコード
1度と5度のみ(場合によってはオクターブ上の1度)を弾いてハモリ感を減らし文字通り、パワーのある音を出します。
3度を使わない為メジャーマイナーがわからないのが最大の特徴です。基本的に紅蓮華はこの奏法が大半です。
・ブリッジミュート
ブリッジの部分を抑え、ギターのリリースを抑える奏法。ズンズン言っている、サビ前部分です。
・単音弾き
弦を一本だけ弾き音を出します。サビ直前の「進め~」の後です。細かくはハンマリング、プリングも使っています。
・ナチュラルハーモニクス
フレットを軽く押さえて弾き、指を瞬時に離すととポーンという音がします。サビ頭の「どうしたって」の部分です。
・ブラッシング
弦に軽く触れ音をミュートした状態で鳴らします。カッティングなどにも多用されます。
今回はイントロ、間奏のE D E D【ザカザカ】この部分です。
今回はオーディオでの録音を選びましたが、MIDIで打ち込む場合や、ギターを全く触ったことのない場合は是非参考にしてみてください。
そして音作りですが、全編を通してディストーションをかけましょう!
難しい音作りはあまりなく、一番いいディストーションの音を研究することでいい結果が得られます。
その他シンセなどの楽器
ドラムとシンセとピアノで聞いてみましょう!
細かな音が入っていますが特徴的なものを選びました。
一番目立つのはサビの声のようなフレーズです。
B(シ)とA(ラ)を繰り返すシンプルながら奥深いリフになっていますね。
シンセで選ぶ場合はHumanVoice等の項目から近いものを選びましょう。原曲はLiSAさん本人の声をエディットして使用している可能性もありますね。
そして意外と聞いてみると分かるのが、頭のBメロの「アルペジエーター」ですね。
シンセの音に関してはシンセ本体と設定を編曲した人から教えてもらえない限り、似た音を知識でまねていくというしか方法はありません。
オシレーターはなんの波形なのか、どれくらい重なっているのか、エフェクトはどんなものなのか、リアルタイムで変化するLFOはどんな動きなのかと考えることが多いような気はしますが…。
そんなときに役に立つのがプリセットです!笑
似たような音を選んで少しだけ変化させるところから始めましょう。
今回も似た音を見つけてアルペジエーターを16分音符でオンにしただけですが似たような雰囲気が出ていると思います。(さりげなく全編入っています)
シンセはプリセットをいじるところから慣れていきましょう!
まとめ
1. 基本チューニングで変則チューニングを代用
2. ギター奏法各種
3. シンセはやっぱりプリセット
といったこととなります。
ABCミュージックスクールDTM科講師の岡田誉也がお送りしました。
また次回お会いしましょう!