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ちょっとした工夫でベタ打ちから脱却してみよう
鍵盤初心者がコードを打ち込むときの10のルール(前編)では、基本的な事をお伝えさせて頂きましたが、ここからはちょっとした応用編です。
ご自身のアレンジのお役に立つと思いますので最後までお読み頂けたら嬉しいです。
ルール⑥ベロシティを知って、トップノートを目立たせよう!
ベロシティという言葉をご存じでしょうか?これはもともとは「早さ」という意味なんですが、MIDIをいじるに当たっては音の大きさを決める値になります。
コード進行を打ち込んでみましょう。今回はC→Am→Dm→Gです。前回も紹介した一つの音をどんどんコピーして行くやり方で打ち込んでいきます。
せっかく前回ボイシングを整える方法もお教えしたので軽くボイシングも整えてみました。
しかしこれだと鳴っている音の強さが同じすぎてしまい、機械が弾いているように聞こえてしまいます。
ランダマイズ機能を使ってみよう
ここで役に立つのがランダマイズ機能です。Logicには「MIDIトランスフォーム」の「ベロシティのランダム化」という機能で最小値と最大値を設定するとその中でランダムに音の大きさが変わります。上手いんだけど上手すぎず、より自然に聞こえる技になります。
さらにここでひとつトップノートだけを選択してみてほんの少しだけベロシティを上げてみましょう。下の和音との差は15~30ぐらいで大丈夫です。実は鍵盤奏者はこうやってトップノートを少しだけ強く弾く事でシンガーが歌いやすいようにしているのです。鍵盤を入力する際に少しだけトップノートを意識するだけで響きが変わってくるので試してみてください。
ルール⑦刻もう!
さてここでリズムを刻んでみましょう!はさみツールを使って切りたい和音を全部選択します。
2分音符に分ける
作業の流れを見てみてください。
4分音符に分けるとこのように
8分音符に分けるとこのように
短くする
あらかじめ8分音符で作った味気ないデータでしたが、長さを変えてみる事で和音のノリが変わってくるのが分かると思います。短くすると言っても細かく変えるとまたそれぞれ違いますよね。
変更後1と変更後2の違いを聞いてみてください。
混ぜてみる
付点四分音符+8分音符+2分音符全部乗せバージョンです。音符も短くしたりするとまた印象も変わりますね。
ルール⑧食おう!!
先ほど切った和音のリズムをちょっと前倒しにならしてみるとちょっとノリが変わって来ます。よく会話でも「食い気味に」といいますが、音楽でもリズム的に「食う」と呼びます。
8分のシンコペーション
16分のシンコペーション
小節をまたいでアンティシペーションしてみると、つなげた前のコードと後ろのコードが一つのグループの様な感じになります。グループを作ると作るメロディも変わってくるので色々試してみましょう!
8分のアンティシペーション
16分のアンティシペーション
ここで最近大人気グループ「Official男髭dism/ノーダウト」の鍵盤の刻みを聞いてみてください。
0:17からのリズムを4小節だけお借りして先ほどから使用しているコード進行に当てはめてみましょう。まずリズムは下記の通りです。
ルール⑨空間を埋めよう!
みなさんはパッドというのをご存じでしょうか?先ほどまではコードをピアノやエレピで刻んだりしたと思いますが、今度はその後ろで空間を埋めるパッドの簡単な打ち込み方を紹介します。
パッドは音に厚みが欲しい時にとても有効です。サビとかに使っても良いですね。音もストリングやシンセパッドを使ってみましょう。
つなげる前とつなげた後だと、音が伸びやかにスムーズになりますね。
ルール⑩バラバラにしてみよう!
バラバラにしてみる、、とはなんだろう、となると思いますが、これは音楽用語で言うアルペジオというものです。
アルペジオは和音をバラバラに崩して規則的に並べたものです。実は簡単なアルペジオからもの凄い難しいアルペジオまで幅広くあるのですが、今回はとても簡単に並べる方法をご紹介します。
まずは和音を打ち込むのですが、長さを少し短くしてみましょう。これはお好みで長さを決めてみてください。
シンセで言うとプラックサウンド等を使ってみるのも良いですね。
ボイシングは揃えた方が自然に聞こえるでしょう。
アルペジオパターン1
①→②→③→②→①→②→③→②と並べたパターン
アルペジオパターン2
①→③→②→③→①→③→②→③と並べたパターン
アルペジオパターン3
4音3連符パターン
4和音なら簡単ですが、3和音でもルートを1オクターブ上に重ねれば4音で出来ます。
①→②→③→④→③→② ①→②→③→④→③→②
と並べていきます。
ランダムになりすぎるより、ある程度規則的に並んでいると人間の耳にもパターンが認識しやすくなりより、心地よく聞こえます。
それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。