ギタープレイにおけるニュアンス解剖学

こんにちは。ABC Music Schoolギター科講師の清水宥人です。
今回は”ニュアンス”とはなんぞやという所に切り込んでいきます。
これは言葉の意味も少々複雑なので、まずはどんな意味の言葉なのかというところからゆっくり解剖していきましょう。

以前に解説した[セクシーなトーンを出すコツ]前編後編も踏まえつつ、参考にしてみてください。
それではいきましょう。

ギタープレイとニュアンス

ニュアンスというと普通は「言葉」や「言葉にならない雰囲気」に対して使いますよね。
さて唐突ですが後期期末テスト終了直後の僕と友人Aのニュアンシブな会話を見てみましょう。

キーンコーンカーンコーン

僕「あ〜終わった。」

友人A「今回のテストは実際ヤバかったね。」

僕「絵のテストなんて先生が好きなニュアンス出せなきゃ無理だよ〜。」

友人A「まあでも赤点は免れたっしょ。」

無理やりニュアンスを絡めてますがそこはご愛嬌。
この中には複数の意味の”ニュアンス”が含まれています。

言葉のその先

まず開口一番、僕の言葉「終わった」ですが、

「なんだか無理っぽいなあ」
「やっと試験が終わった!」

上のどちらにも取れる「終わった」になります。
友人Aは「今回のテストは実際ヤバかった。」と回答しています。
ここで友人は「なんだか無理っぽい」ニュアンスを僕から感じていることがわかります。

あじわい深さ

それとは別に、”雰囲気から滲み出る味わい”を表す意味も持ち合わせています。
会話の後半に出てくる「先生が好きなニュアンス」においての”ニュアンス”は「先生が好きな絵の雰囲気や味わい」という意味と捉えることができますね。

この記事では音楽や色彩を表す際に良く使われるこちらの意味を使って、ギターにおいてのニュアンスを掘り下げていきます。

まずはニュートラルのポジションを

ニュアンスを出す、表現するには演奏に凹凸をつけなければなりません。
そうするにはまず基本となる”歌い方”を決めてから、それとはあえて違う事をするのが肝となります。

効果的な方法

例えば、運指的にはスライドしなくても届く場所だがあえてスライドを入れたり、単なる4分音符のフレーズを連続してチョーキングでアプローチしたりなど、あくまで一つ一つの音を大切にすることがフレーズを印象的にします。

アクセントのつけ方

ピッキングの強弱が一番手軽にニュアンスを表現する事が出来ますが、簡単そうに見えてとてもシビアです。
ここでは先ほどのニュートラル化の時点で2分化し、解説します。

“強さ”にフォーカスしたニュアンス

力こそパワー。主に歪んだ音でのコードバッキングなどはこれをイメージしましょう。
常に80%の強さでプレイする事を想定し、強調する音を81〜100%の範囲でプレイします。
(ここでいう強さは単純に強く弦を弾く事ではありません。詳しくはこちらの記事を参照下さい。)(セクシーなトーン〜の記事リンク)

安定性があり、コントロールも比較的簡単ではありますが、平坦なプレイになりがちなのでご注意を。

バンドが盛り上がっている時に同じテンションで応えるイメージですが、バンドが抑えている時も80%以上でプレイする場合はそれがアリなのかナシなのかを考えるようにしましょう。

“弱さ”にフォーカスしたニュアンス

主に単音のリードフレーズはこちらでプレイした方が良いでしょう。

ニュートラルを60%あたりにおき、フレーズの入り口と出口は特にシビアにコントロールしましょう。スライドの速度やチョーキング、主にダウンチョーキングの速度などはフレーズが印象的に聴こえるか聴き流されるかを左右しますので慎重に。

圧倒的にコントロールが難しいですが、リードプレイで強さにフォーカスしてニュアンスをつけると平坦で印象に残らないプレイになりがちです。

こればかりは繰り返し練習して体に覚えさせるのが一番ですね。

まとめ

プレイヤーの数だけ考え方があります。これは逃げの一言ではなく、自分のプレイの幅が広がる可能性が沢山あるという事。色んな人のプレイを聴いてはニュアンスを感じ、自分のプレイを育てていきましょう。

それではまたお会いしましょう。

ABC Music School ギター科講師

清水宥人

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ABOUTこの記事をかいた人

プロギタリスト。ESPミュージカルアカデミー卒。 在学中は渋谷公会堂にて行われたコンテストにてグランプリ受賞、 学内コンテストファイナリスト、校内レコーディングメンバーに選ばれる等の優秀な成績を残す。現在はプロギタリストとして演奏、レコーディング、編曲ほかbarのセッションホストなども務める。