こんにちは。ABC Music Schoolギター科講師の清水宥人です。
ギタリストであれば必ず何かに気を付けてプレイしているはずです。例えばユニゾンチョーキングは完全にユニゾンするちょっと手前で止める、とか。コードチェンジの瞬間は繋がりを意識して必ずブラッシングを入れる、とか。
皆さんのそういった「ギターをプレイする上で気を付けているリスト」の中にも”良い音を出す”という項目は有るはずです。これについて今回は言及して行きます。
ギタリストにおける「良い音」の定義
それは時にEric Claptonであり、Andy timonsであり、Allen Hindsであり、人によりジャンルにより音の特徴は得てして変わるものですが、これらのギタリストが出すトーンに変わらず共通して言える事があります。
それは、セクシーであるという事。
本質が魅力的であり、どんな人の口からも「まあええんちゃうか」以下の言葉を出させない圧倒的及第点。それどころか、ツボに入れば立ち所に普段の生活もままならなくなる程の感動をもたらしてくれる。(言い過ぎか)つまり、”良い音“です。
これは単にアンプのセッティングやエフェクターの目盛りを調節するだけで出せる物では無いと僕は考えます。そういった機材のセッティングの前に、まず右手と左手から鍛えてアウトプットする事で良い音、いわゆる”セクシーなトーン”は生まれます。
音はまず右手から
ギターを弾く上で皆さんの脳が思考し、決断した直後にまず一番最初にギターへとアウトプットする場所。それは右手です。音を間違えずキチンと発音し、聴衆に向けて正しい音として届けるのは大切ですが、良い音が求められるセクションでのソレでは抑揚のない音声アナウンス、ただの情報でしかありません。
では然るべきセクションで聴衆に感動を与えるためには何を意識するべきでしょうか。
アーティキュレーションの数値化
アーティキュレーション=スタッカート、アクセント、スラーなどを通した「1音の表情」のことです。それに対してフレーズ=複数の音の表情と定義します。
さて、普段皆さんはどれ位の力加減でピッキングしているでしょうか。自分の中で数値化して思い浮かべてみましょう。一重に力加減といっても
[✔︎]ピックを握る強さ[✔︎]弦をハジく速度
どれも音に影響する項目です。
ピックを握る強さ
これは基本的に皆さんが考えているよりもずっと弱くするべきです。強すぎるピッキングはプレイを平坦にします。
今80%程の力加減でピックを握っているとすると、50%まで落としましょう。そうする事で、如何なる機材のセッティングであってもある程度のゲインマージンを取れ、アクセントをより分かりやすくつけることが出来ます。更にこれはフレーズに対応して変えるべきです。
コードカッティングの時は20〜40%だとしても単音カッティングの場合は40〜60%程のになったりと、状況に合わせて変わるものです。またピックを弱く握る事で音の粒にバラつきが出ると思いますが、それを揃える練習をしなければならない事もお忘れなく。
次回後編では弦をハジく速度と、実際にどれだけアーティキュレーションに差がつくのかを実例も交えてご紹介します。
それではまたお会いしましょう。
ABC Music School ギター科講師
清水宥人