プロギタリストが語る[セクシーなギタートーンを出すコツ 〜後編〜]

セクシーなギタートーンを出すコツ

こんにちは。ABC Music Schoolギター科講師の清水宥人です。
早速ですが前編でお話した事をまとめましょう。

Ⅰ.良い音は右手左手から産まれる
Ⅱ.アーティキュレーションの数値化
Ⅲ.ピックを握る強さはなるべく弱く

大きくまとめると、この3点でした。

ここで勘違いの無いよう補足させて頂きますが、本記事で扱う”セクシーなトーン”と○xe-fx2やKem○erで作る”良い音”とは全く別モノとして扱います。美味しいカレーを作るためにまずは良い野菜を使わなければならないのと同じく、素材の品質向上と捉えて頂けると腑に落ちるのではないかと思います。

それでは前編に引き続いて書いてまいります。

弦をハジく速度

ピックを握る強さを決めたところで次に出てくる問題は、その強さで握った物をどれ位の速さでヒットさせるかです。スラッガーを夢見てスイングスピードを鍛える野球少年よろしく、超絶にピッキングのスピードをあげる必要はありません。

あくまで我々はボールを飛ばす訳ではなく、音をお届けするのが役目。闇雲に強くピッキングしていては余裕のない切羽詰まった音像となり、聴衆の心に刺さるホームランを放つどころか自らの周りに”かつて音だった何か”を巻き散らすだけの結果に終わります。そろそろ「そうそうこんな奴のこんな話だったな。」と思い出して頂けましたでしょうか。

音に言葉を宿す

演奏の緩急は喋っている「言葉に置き換えると」実は非常にわかりやすいものとなります。
速いピッキングはアクセント時、「凄い!」や「絶対に!」等のニュアンスを出す時。遅いピッキングは、「ここだけの話…」や「相談なんだけど」の様なニュアンス。実際に声に出してみるとよりわかりやすいかと思います。実践してみましょう。

「ここだけの話なんだけど…あ、他の人に言っちゃ絶対にダメだよ!」
これを言葉に出して読んでみて下さい。きっと何処かにアクセントが付き、何処かを弱く話していると思います。声に出して読むのが恥ずかしい人も、どんな顔をしてこの言葉を言えば良いかは何となくイメージつくかと思います。演奏にもこのような緩急が必要なのです。

しかし初めは話し言葉のアクセント移動をそのままギターで再現しようとしても上手くいきませんから、これも数値化して4つ程のセクターに分けて表現してみましょう。

「ここだけの話なんだけど」20%
「あ」70%
「他の人に言っちゃ」50%
「絶対にダメだよ!」100%

極端にしましたが、如何でしょうか。

聴き比べ&エクササイズ

実際に数値化したアーティキュレーションで弾いてみた音源と、
すべてのセクションを100%で弾いた音源を用意しましたので聴き比べてみましょう。

まずは”セクシーなトーン”から

次に頭から最後まで全力で弾ききった方も聴いてみましょう。

この数値をイメージしながら下記フレーズを弾いてみましょう。

guitarblog_score01_kai

まとめ

如何でしたか。ピックを握る強さとピッキングのスピードはバランス感覚が大切。ピッキングのスピードの可変域を狭め、ピックを握る強さでアーティキュレーションを調節する事も出来ますね。奥が深いので皆さんも奮って研究し、結果をシェアして行く事がギタリストの質の向上にも繋がるはず。持論はどんどん展開しましょう。勿論場を弁えて…。(笑)

こうして鍛えたトーンは自身の音をより成長させ、時には奇跡の様な音も聴衆の心に届けます。しかしそれは毎日の地道な積み重ねが産む物であることを忘れてはなりません。
それではまたお会いしましょう。

ABC Music School ギター科講師
清水宥人

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ABOUTこの記事をかいた人

プロギタリスト。ESPミュージカルアカデミー卒。 在学中は渋谷公会堂にて行われたコンテストにてグランプリ受賞、 学内コンテストファイナリスト、校内レコーディングメンバーに選ばれる等の優秀な成績を残す。現在はプロギタリストとして演奏、レコーディング、編曲ほかbarのセッションホストなども務める。