僕は普段、音楽作家としてCM音楽やアーティストへの楽曲提供、またバンドでギターを担当したりといった音楽活動を行なっています。
今回から音楽を製作していく上で僕が実際に役立ったと思うこと、特に音楽初心者の方がより曲を作りやすく、製作がはかどるような情報を共有できたらなと考えております。宜しくお願いします!
さて、第1回目の今回は耳コピについて語っていきたいと思います。
耳コピとは読んで字のごとく、「耳で曲をコピーすること」を指します。
具体的には以下のような感じです。
・ギターやピアノのメロディーを耳で聞きながら打ち込んでいく
・ドラムを耳で聞いて、同じフレーズを打ち込みで再現する
・楽曲全体の雰囲気を耳で聞いて、似た音像に仕上げていく
音楽をよりたのしむ上で、また上達していく上でとても大事なポイントが詰まっていますので、是非読んでいっていただけたらと思います。それではいってみましょう。
Contents
耳コピをオススメする3つの理由
耳が鍛えられる
例えば自分にとっての特別な1曲をその曲を今この場で歌ってみてくださいといわれたとしたら、おそらくあなたはそのの曲のメロディーを完璧に歌うことができると思います。もっと言えば歌詞も間違いなく歌えると思います。
これはおそらく何十回、何百回と同じ曲を聴き続けたことによって耳が鍛えられて、結果的にそのフレーズが自分のものになっているということではないでしょうか。
実は、これが耳コピの基本です。音を拾って譜面に書いてなどと小難しいことは一旦忘れましょう。まずはモノマネして耳コピする方が楽しく、コピーの精度、クオリティも上がります。
また、歌だけではなく楽器にも同じような事が言えます。まずはモノマネから始めて、楽しみながら耳を鍛えながら上達していくことが一番大事!
試行錯誤が実力アップにつながる
ベースのCの音に対してボーカルがGの音になると気持ちいいんだな!
ドラムのフレーズをコピーしていったら、だんだんいろんなパターンがわかってきた!
このように取り組めば取り組むほど疑問が出てきて、自分で調べたりレッスンで解決していくことで着実に実力になっていきます。自分の身になることが何よりも大事です。
影響を受けて自分を育てる
好きな曲・今学びたいジャンルの曲でコピーを重ねていくことで、フレーズの引き出しが増えたり、「作りたいな」と思う曲のジャンルも広がっていく。そして結果実力アップへと繋がっていきます。コピーで実力がつく最大の理由は影響を広く受けることができるからだと考えます。
上達はコピーから。です!
耳コピの具体的な7つの進め方
1.コピーする曲を決めよう!
まずは自分がコピーしたいと思う曲を決定しましょう。
お題はあなたにとって特別な1曲でも、今練習したい曲でもokです。コピーを始めたばかりの時は基本的に1曲に絞ることをおすすめします。2曲以上同時進行するのはある程度コピーに慣れてきてからの方がいいでしょう。
2.コピーするテーマを決めよう!
まずは自分の実力の中でどこを鍛えたいのかを明確にしましょう。
・ギターのコードをコピー
・ベースの進行をコピー
3. コピーしたい楽曲をDAW上へ貼り付けよう!
楽曲のオーディオファイル(mp3など)をこのようにdawに貼り付けます。
4.BPMを合わせよう!
まずはBPM(曲のテンポ)をdaw上でコピーしたい曲と全く同じ数値にします。。例として、画像の楽曲はBPM84ですので、DAW上のBPMも84としてあります。これで準備OKです!
耳コピの作業を進めやすくするために、楽曲の波形を小節の頭になるように合わせて置きましょう。これがずれていると打ち込み作業がかなりやりづらくなるので注意です。 クリックと共に楽曲を流し、しっかりbpmを合わせます。
5. 曲の構成を把握→ブロック決定
次に楽曲の曲全体の構成を把握しましょう。
イントロ→A→B→サビの王道構成
サビ→A→B→サビ構成
インストの1テーマで盛り上がっていく構成
構成を把握したら、まずはどの曲のどのブロックをコピーするのかを決定します。イントロ全体を全パートでコピー、サビだけコピーなんていう考えもアリです。自由に決定しましょう。
DAWによっては下記画像のようにイントロ(赤色ブロック)、Aメロ(オレンジブロック)、サビ’黄色ブロックのように視覚的にわかりやすいようにしておくと、作業がとてもスムーズに進みますのでオススメです。
6. ドラムからコピーしてみよう!
単純に目立つのでコピーしやすい
音階がないので直感でコピーの経験が積めて楽しい!
こういった理由でドラムの打ち込みから始めるのがオススメです。特にドラムのキック(バスドラム)からコピーするのが分かりやすく、曲のリズムの感じも掴みやすいのでオススメです。続いてスネア→ハイハットの基本のドラム3点打ち込んだら、シンバルやタムなどの順に耳コピするのがもっとも作業がはかどると思います。
まずはイントロだけ、サビのみコピーなどと限定して1ブロックを耳コピしていきましょう。
7. 裏技!聞こえづらい音をEQでクッキリさせよう
耳コピしていると、どうしても聞こえづらい音があると思います。そんな時はDAWに入っているEQのプラグインを楽曲を流しているトラックに挿しましょう。
プラグインを挿したら、下の画像のように聞こえづらい帯域をブーストすることによって、埋もれて隠れていた音が前に出てきます。
例えばドラムのキック。楽曲によりますが70〜80Hzあたりをブーストすると音が前に出てきて聞こえやすくなります。
この方法はDAWを使用した耳コピならではのテクニックなのでとてもオススメです。
この方法は他の楽器の音を聞き取りたい時でも応用できます。聞きたい音はEQで探るという癖をつけていきましょう。やってみてもらえるとおおー!聞こえる!となると思いますよ!
8.コピぺで効率化!
1番のAメロと2番のAメロ、1番のサビと2番のサビといった各メロは、細かいフレーズは変わっているかもしれませんが、基本のフレーズは変わってはいないと思います。
にも関わらず、すべてのフレーズを順番に打ち込みし続けていくと、途方も無いくらいに時間がかかってしまいます。これをバシッと解決するのがコピペです。
MAC
ccommand +cでコピー
ccommand +vでペースト(貼り付け)
Windows
control +cでコピー
control +vでペースト(貼り付け)
試しに1番Aメロと1番サビの打ち込みが終わったら、思い切ってコピペしてしまいましょう!
そして2Aメロ、2サビを楽曲と聴き比べ、細かいフレーズの微調節を行います。もうこれで一つの楽器の曲の大半のコピーが終わるのです。便利ですね!
このように効率化できるところはどんどん効率化して、残る間奏や大サビ、アウトロなどに時間を使っていきましょう。まずは目指せ1曲まるごとコピーで頑張ってみましょう!
まとめ
普段何気なく聞いているお気入りの曲でも、耳コピするとなれば違う脳に入れ替わります。DAW上で同じ音を鳴らせば、いつもと違った観点から楽曲をみれて大変勉強になります。このようにプロの楽曲を耳コピ、分析することによって自分の中の引き出しが増えます。
それが自分の作る楽曲に大きな影響を与え、クオリティが大幅にアップします。皆さんも是非、プロの楽曲、お気に入りの楽曲を耳コピしてみましょう。
コピーのコツはとにかく聞く→打ち込むの繰り返しです。1つ1つの音をよく聴きながら打ち込んでいきましょう。疲れた時は休憩も忘れずに!
ABCミュージックスクールDTM教室担当の宮川祐史がお送りしました!また次回お会いしましょう。