星野ギター講座 理論やるなら今でしょ！第3回スケール編~ドリアンスケール~
「音階/スケール」理論講座ですが第3回目の今回は「ドリアンスケール」についてお話しをしようと思います。
先ず確認ですが「音階/スケール」というものは要するに“音と音の配列”であって、それに“名前がついている”と捉えておいてください。
そして次に挙げるのがスケールの理解に一つ大きなヒントになると筆者は思うのですが、「特定のコードが鳴っている上で特定のスケールを弾くと〇〇の特徴的響きになる」、「その〇〇の特徴的響きを〇〇スケールと名前をつけた」と考えてみてください。
音楽を聴いていて「何か不思議な浮遊感」や「妙な明るさ」、「ドラマチックな暗さ」を感じた場合はスケールが大いに関係している事が多く、今回は「ドリアンスケール」というものがどういった音階、響きで、どんなコードの上で弾くと効果的なのかを解説してみようと思います。
それでは早速行ってみましょう！
ドリアンスケールの具体例
「ドリアンスケール」というものは第2回目の記事で解説した「イオニアンスケール(メジャースケール)」を、“2音目のDから順に1オクターブ上のDまで積み上げたスケール”になります。
ルート音をDとしてDから弾き始めたとすると…
例：DEFGABC
上記7音から構成される7音スケール。
音の違いを直接比べられるように、上記の7音の間隔を保った上で「ドリアンスケール」をルート音をCとしてCから弾き始めたとすると…
例：CDEbFGABb
になります。
ドリアンスケールの構成
上述の具体例DEFGABCの各音の間の配列間隔を見ると以下のようになります！
全音、半音、全音、全音、全音、半音
この順番で構成される音階はすべてドリアンスケールと呼びます！
なのでCからこの配列間隔で弾いたとすると….
CDEbFGABb
になり、これを「Cドリアンスケール」と呼びます。
ドリアンスケールと相性の良いコード
ドリアンスケールの場合は「m7（マイナーセブン）」上で弾くのがセオリー的にはベスト！
ルーパーでDm7を永遠鳴らしてそのうえでDEFGABCを行ったり来たりする練習や、アドリブ練習などしてみてください！特にBの音を弾いた時に何か特徴的な響きがすると思います！
この響きが「ドリアンスケール」の特徴です！
※ジャズ理論等あまり難しい内容にしたくないので「コードの機能で判断する」ということには触れておりません。
ドリアンスケールが使われている曲
スケールを知るという事は「響きを知る」と冒頭で触れましたが、ではできるだけポピュラーな曲でドリアンスケールを感じる曲はないのか？
筆者が日頃のレッスンでよく例に挙げるのが
「Scarborough Fair/Simon & Garfunkel」
曲中の「Parsley, Sage. Rosemary and Thyme~」の箇所のRosemary~の部分です。
あの“不思議な薄暗い浮遊感”みたいなものがドリアンスケールの響きです！ケルト音楽にもよく使われますね！
※感じ方は人それぞれなので上記は筆者が言葉にしてみた感想です。
まとめ
筆者が学校で音楽を勉強していた頃(もちろん今も毎日が音楽勉強です！)、「モード」とかこの「音階/スケール」の壁にぶちあたったのをよく覚えています。何回も何回も弾いて少しずつスケールの音の配列やギター指板上の位置を目と手に記憶させていきました。
「〇〇スケール」特有の響き、というのも感覚の世界ですから何回も何回も出くわして、段々と自分の中で理解が深まっていってようやく身につく、というのが自然な流れだと思います！
なので皆さん、今回の記事を直ぐに理解しようとせず、読み返していく中で少しずつ身につけていけばいいと筆者は思います！
以上の内容をまとめると…
1. ドリアンスケールの具体例
DEFGABC
CDEbFGABb(ルート音をCとしてCドリアンスケールを弾いた場合)
2. ドリアンスケールの構成
全音、半音、半音、全音、全音、半音
3. ドリアンスケールと相性の良いコード
「m7（マイナーセブン）」
4.ドリアンスケールが使われている曲
「Scarborough Fair/Simon & Garfunkel」
曲中の「Parsley, Sage. Rosemary and Thyme~」の箇所のRosemary~の部分
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう！
