リハーサル ~プリプロ編~
今回のお題は、リハーサルの中でもレコーディング等を想定した“プリプロ”リハーサル時の注意しておきたいポイントについてお話をしたいと思います!
以前の記事でご説明した通り、“プリプロ”とはpre-productionの略語であり、創作作業(例えばレコーディング)の前の段階で行う確認リハーサルのようなものです。
音楽ってコードの弾き方や重ね方、展開など可能性は無限大ですから事前にメンバー全員が同じベクトルを向いて、同じ認識をもってレコーディングに挑むことはとても大切です!
そういった細かい確認作業を目途的とした“プリプロ”リハーサルですが、具体的に何を確認したらいいのか、そういったポイントをいくつか挙げていきたいと思います。
それでは早速行ってみましょう!
イントロ、エンディングの確認
なんといっても大事なのがイントロ、そしてエンディングの確認。
イントロの展開をしっかりと決めておかなければレコーディングが開始した時に、それぞれの楽器がどの音を出せばいいのか迷ってしまいます。レコーディングにおいては毎秒が出費になると考えると、一秒でも早く音を録音していきたいものです。
同様にエンディングをどのように終わらせるのかも確認しておきたいところです。アルバムを作る場合その曲と次の曲の間につながりを持たせたければ、それを想定した録音の心づもりをメンバーとレコーディングエンジニアで共有しておく方が確実にいいと思います!
展開の確認 ~2周目のAメロに変化をつけるか等~
次に確認しておきたいのは曲の展開についてです。
毎度毎度同じ繰り返し、同じ展開だと演奏している方も飽きが来ますよね?
ライブを想定して、演奏に“締まり”を持たせるような、曲が進むにつれて2回目のAメロはベースだけになったり、ギターのアルペジオだけになったり等、曲に抑揚を持たせるような展開を作る場面を疑う目を持ておくのもアイデアかもしれません。コード進行を多少変える、と言ったことも大いにありだと思います!
こういった細かい展開、変化、楽器同士のオン・オフの確認こそ“プリプロ”の醍醐味かもしれません!
“キメ”の確認
最後に挙げておきたいのが“キメ”の確認です。
“キメ”というのは多くの場合楽器隊全員が同じリズムで止まったり、全員が同じ音を弾いたり(ユニゾン)といった、曲にちょっとした展開を加えるようなことを指したりします。
“プリプロ”において楽器隊全員が止まる位置の確認だったり、そういったところを確認しておくのは必須です!
その一拍の休符があることでより疾走感のある曲に仕上がったり、連続した複雑のリズムセクションを作ることでちょっとした“難しさ”を曲に加えることができたりと、こういった小さい個所の確認をじっくりできるのが“プリプロ”の良いところです。
まとめ
要するに“プリプロ”という段階は“曲を煮詰める”ような場だと思って頂けるといいかなと思います。
一切の妥協無く難しいフレーズを詰めるも良し!いつも通りのご自身のバンドの一直線のスタイルを貫くのも良し!いざレコーディングを迎えた日に誰も迷いがない状態を作れればいい“プリプロ”を行えたということじゃないでしょうか!?
以上の内容をまとめると…
1. イントロ、エンディングの確認
誰も迷うことが無いよう、レコーディングがスムーズに始まり、スムーズに終わるよう確認しておくのが大事!
2. 展開の確認 ~2周目のAメロに変化をつけるか等~
展開の確認は必須!各楽器のオン・オフの箇所は必ず確認しておく!
3. “キメ”の確認
どこで音を止めるのか、どこにユニゾンフレーズがあるのか、その音の確認も含めて必ず確認しておく!
1曲1曲を大切に育て、レコーディングしていけばレパートリーが増えていき、気づけばDream Theatreのようなモンスターバンドも夢じゃないかもしれませんね!?
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!