ココ、テストに出ますよ! ~ネックの反りについて編~
今回は初心にかえって、ギターに取り組む上で知っておきたい基礎的知識である「ネックの反り」についてお話をしようと思います。
見た目通りアコースティックギターは勿論のこと、実はエレキギターも基本的に木でできています。以前から国産のアルミ鋳造ボディのものや、最近は特殊樹脂を成形したボディのモデルもありますがやはりいまだに木材で作るのが主流です。
木材となると季節による湿度変化や温度変化に少なからず影響を受けます。
水分を吸って木(ネック)が膨張したり、乾燥して縮むことによってコンディションが変わってきてしまうわけですね。個人的な微妙な好みは今は置いておくとして、それらの症状とそれに伴う感触の変化やトラブルをいくつかご紹介していきたいと思います。
それでは早速行ってみましょう!
真っ直ぐ
まず当たり前ですが、真っ直ぐなネックが1番理想と言えると思います。
フレットをどこも押さえずジャラーンと鳴らしても普通に鳴る状態です。“ビビリ”と言われる変な共振しているような音もないでしょう。弦と指板との間の距離も適度で“弾きづらい/押しにくい”とは感じないはずです。
ネックは常にこの真っ直ぐな”癖“をつけておきたいものです!
順反り
ここからが本題です。まず順反りについて。
順反りというのはネックが弦に対して後ろ側に反る、と言った症状です。
弦に対して後ろに反ると言うことは“弓”のような形になるので、真っ直ぐなネックの状態よりも弦と指板の間の距離が長くなってしまっている状態です。
すると当然ながら“弾きづらい/ 押さえづらい”と言ったトラブルが起こりえます。そんな時はすぐにリペアに出しましょう!
特に乾燥した冬場の方が順反りしやすいと言われています。
逆反り
もう一つの症状が逆反りです。
逆反りというのは、ネックが弦に対して弦側(前側)にネックが反る状態のことです。
最悪フレットに触れずジャラーンと弾いた時でも、既にどこかのフレットに弦が当たってしまうような状態になることもあります。明らかに“ビビリ”や共振を感じるはずです。
こんな状態ではまともに弾けませんよね。こちらもすぐにリペアに出しましょう!
主に夏場に起こりやすいと言われています。
まとめ
明らかな“ビビリ”や共振、あるいは弾きづらさを感じたらネックの状態を疑ってみるのも一つ、と言ったことが今回の記事でお分かりいただけましたら幸いです。ギターは“生き物”ですからね!
筆者の個人的意見ですが、木も人間同様“癖“がついてしまうような気がします。なので曲がったネックで弾き続けようとせず、できるだけ早く真っ直ぐに治し、ネックにも”いい癖“をつけることで、いいギターとして“育て”続けることができると感じています。
季節が変わるたびにマイギターとギター屋巡りをして、その間に軽くメンテナンスしてもらうというのも充実したギターライフの秘訣かもしれません!笑
以上の内容をまとめると…
1. 真っ直ぐ:これが1番!
2. 順反り:ネックが弦に対して後ろに反っている。指板との距離が開いている状態なので“弾きづらい/押さえづらい”
3. 逆反り:ネックが弦に対して弦側(前側)に反っている。“ビビリ”や共振の原因になる場合も⁉︎
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!