魅惑のマルチエフェクター ~良さを知ったら抜け出せない!~
今回は「マルチエフェクターの魅力」についてご紹介しようと思います!
近年のギターエフェクトにおけるデジタル技術の発展は著しく、それまでの「デジタルエフェクトは音がデジタル臭い」、「音に迫力がない」といった印象を覆す、アナログ機材に負けずとも劣らない領域まで来ていると筆者は感じています。
筆者がギターを始め、人生初のライブは高校の文化祭でした。その当時使っていたマルチはプラスチックの個体でできていて、ステージ上で盛り上がって誤って蹴とばすと電源が落ちるようなモデルでした(笑)。
今思うとよくあんな音作りで演奏してたなぁなんて反省しますが、あれから十数年、時代は大きく変わりました。
現在の市場に出回っているマルチエフェクターの多くが、本物のアンプに匹敵する音質を持ち、且つ複数のエフェクトを並べ替えられ、一台でライブ用エフェクトボード兼アンプシステムを構築することができます。
エフェクター一個一個を並べて、その重いエフェクターケースをもってライブ会場に向かうことが必ずしも必要ではなくなってきています。
筆者も重い機材を一々運ぶ手間、エフェクター間のパッチケーブルの管理、現場での急なエフェクト変更等の対応力などから、ライブをする際はマルチを基軸にすることが多いです。
筆者の経験と個人的視点からマルチエフェクターの魅力について少しお話をしようと思います!あ、ちなみにマルチを使う際はほぼ100%アンプのReturn端子に繋ぐことをオススメします!
それでは早速いってみましょう!
ワンタッチで音色を切り替えられる
筆者がマルチエフェクターを愛用する理由第一位はなんといっても「ワンタッチで音色を切り替えられる」という点です。
弾いている曲のAメロとBメロで音色が大きく違う等、セクションごとの音色の要素が2個以上違ったら個々のエフェクターを一瞬で二つ以上切り替えるのは大変です。大変どころか、ライブ会場なんていう所は暗い現場が多いですし、踏み間違えだって起こりやすいです。
やはりリスクはできるだけ小さくしておきたいものです。
そこで、マルチエフェクターならボタン一つ押すだけで全く違う設定をした音色に切り替えることができます。
使うマルチエフェクターのモデルにもよりますが、アンプモデリングから使用するエフェクト、又はエフェクトの設定を完全に一から設定し直した音色に切り替えられるのです。
コピーバンドをやられている方々も一晩でポップス~へヴィメタルまで演奏する時などに役立ちますね!一々アンプを変えたり、ツマミをいじる必要もなく、リハーサルで音色の設定だけしておけばOKです!
これに限ってはスイッチャーがあればマルチエフェクターを使う必要はないと思うかもしれませんが、もう一点マルチエフェクターが勝っている点を後ほどご紹介します。
内蔵エフェクターの音の良さと種類の豊富さ
昨今のマルチエフェクターに内蔵されているエフェクトの音質は本当に良くなってきました。
アンプモデリングと呼ばれる、「〇〇アンプを参考にしたアンプエフェクト」は、歪み方やTreble、Middle、Bass等のツマミの設定/変化具合も物凄いリアルに再現されています。
それまでのマルチエフェクターの弱点だった、ギタリストの手元のピッキングの強弱やニュアンス等もしっかり出力してくれるようになってきましたし、コーラスやリバーブ、ディレイ等のエフェクトの音も“洗練”されてきました。
言い換えるならば現代のカメラやテレビの“解像度”がよくなってきたのと同じです。マルチエフェクターは内蔵されているエフェクトの種類の豊富さも見逃せません。
先述の「スイッチャーと何ら変わりない…」についてですが、例えばライブ直前のリハーサルで“別のエフェクト/音色で弾いてほしい”なんてリクエストされた場合や、アナログエフェクターを揃えてスイッチャーで切り替える場合、欲しいエフェクトのエフェクターを持ってきて無ければそもそもその音は出ません。
そんな時にマルチエフェクターなら大概のエフェクトは内蔵されているので即対応できるのです。
なんて便利!
中には「ピッキングすると爆発音がする」なんて言う“おもしろエフェクト”が内蔵されている製品もあります(笑)。ライブ会場でSEとして爆発音を出せます!
いつでも設定した音色を呼び出せる
マルチエフェクターの魅力、3つ目はこちら「いつでも設定した音色を呼び出せる」です。
リハーサルや自宅でじっくり音作りをし、さあいざライブ会場にもっていったエフェクトボード。
しかし移動の際に各エフェクターのツマミが少しずれてしまったり、記憶があいまいで当日エフェクターのつなぎ順を変えてしまったり等、折角吟味に吟味を重ねた“自慢のギタートーン”がライブで再現できなかった…。
マルチエフェクターならこういったことは起こりません。電源を付ければ設定した通りの音がいつ、どこでも一瞬で呼び出せるのです。
日本にいようがオセアニア大陸にいようが、アフリカの大自然の中であっても電源と出力するアンプ等さえあれば大丈夫です。
最近のマルチエフェクターはいじった設定を自動で保存してくれる機能もついているので、「保存したかしてないか」、なんてことを気にする必要もありません。便利ですねぇ!
まとめ
次のライブからマルチエフェクターを導入する気になりましたでしょうか?
今までデジタルエフェクターを敬遠してきた方々も、今一度“騙されたと思って使ってみる”と新しい発見や、重い運搬を排除した今まで味わったことのない手軽なサウンドシステムを構築できるかもしれませんね!
さて、以上の内容をまとめると…
1. ワンタッチで音色を切り替えられる。音色の切り替えミスの大幅な軽減!
2. 内蔵エフェクターの音の良さと種類の豊富さ。「デジタル臭い音」の時代は終わりです。
3. いつでも設定した音色を呼び出せる。どこでも“自慢のギタートーン”でギターを弾ける!
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!