轟音の世界へようこそ –悪魔の実- ~ダウンチューニング編~
今回は昨今流行りの「ダウンチューニング」についてお話をしようと思います。
今までの人類史上の音楽シーンの変遷をみて見てもわかるように、技術の発達や流行り廃り、その時代を生きる人々や環境によって使われる楽器や、その楽器の使われ方が変わってきたのは明白です。
現代のエレキギターというのは、アンプやエフェクターを使って繊細な音から激しい音まで自由自在です。ロックの象徴的楽器といっても過言ではないでしょう!
最近の流行の音楽、激しいロックな曲が耳にすることも増えてきましたが、そういった楽曲の譜面をいざ買ってみると
「ギターを〇音下げチューニングに設定してください」や
「ドロップチューニングで弾いてください」
などと書いてあるのを見かけるかもしれません。
「普通のチューニングじゃ弾けないの?」「どうすればいいの?」とお困りのそこのあなた!
それらの意味やチューニング方法について解説してみたいと思います!
それでは早速行ってみましょう!
ダウンチューニングって何?
まず、そもそも「ダウンチューニング」について。
ギターは一応決まったチューニング、いわゆる「スタンダード・チューニング」というものがあります。
6弦~1弦(太い弦~細い弦)に向かってE,A,D,G,B,Eといったように調弦します。音程も6弦~1弦に向かって高くなっているはずです。
「ダウンチューニング」とは要するに、「スタンダード・チューニング」の状態から全ての弦を均一の割合で音程を下げてチューニングすることです。
全ての弦をスタンダード・チューニングの状態から半音下げ、1音下げ、1音半下げ等、プレイする楽曲に合わせて調弦します。
このチューニングが下がったギターにディストーションをかけると、まさに“轟音”を出すことができ、ヘヴィメタルなどのジャンルにぴったりな音を出すことができます。
「ヘヴィメタル」という音楽がどこか“重く”、“激しく”感じるのは、こういったギターのチューニングも大いに関係あるわけです。
〇音下げチューニング系
ここからが本題です。
よく耳にする「半音下げチューニング」、「1音下げチューニング」。
言葉通り「スタンダード・チューニング」から全ての弦を言葉通りにチューニングを下げればいいので、6弦~1弦(太い弦~細い弦)に向かってチューニングは以下のようになります。
・半音下げチューニング … Eb, Ab, Db, Gb, Bb, Eb
・1音下げチューニング … D, G, C, F, A, D
ギターという楽器はある程度チューニングに目安はあれど、ルールは無い楽器です。これ以外にも「1音半下げチューニング」、「2音下げチューニング」等可能性は無限大です!
ただし、チューニングを下げすぎてバンド内でベースの音域とかぶってしまったり、“音楽的でないチューニング”にしてしまっては本末転倒です…。
常に“音楽”であることを忘れずに!(笑)
ドロップ〇チューニング系
もう一つのダウンチューニングが「ドロップ〇チューニング」と呼ばれるものです。
ギターには、スタンダード・チューニングから6弦(一番太い弦)だけを1音下げると、パワー・コード奏法を人差し指一本で弾けるという魔法のようなチューニングがあるのです。
これを「ドロップD・チューニング」と呼びます。
6弦~1弦(太い弦~細い弦)のチューニングはそれぞれ以下のようになります。
・ドロップDチューニング … D, A, D, G, B, E
同フレット上で6弦、5弦が1度、5度の関係になり、指一本で素早いパワー・コード奏法ができるようになるわけです!
「ドロップC#」や、「ドロップC」等、ドロップ〇の〇にあたる部分が6弦のチューニング音なので、そこから逆算してそれぞれのチューニングを導き出して見て下さい!
困ったときはググる!(笑)
まとめ
「ダウンチューニング」というものの存在を知ったり、実際にご自身のギターでチューニングを試したりしてみるのもまた楽しいかもしれませんね!
先にも述べましたがギターという楽器は基本的に自由です。基本はあれど、チューニングさえもルールのない“自由の翼”を得た楽器なのです!
ダウンチューニングにハマるとその“轟音”に憑りつかれ、帰ってこなくなるプレイヤーもちらほら…(笑)。
とにかく、ご自身のシグネチャーサウンドを追及して、ガンガン楽しんでいきましょう!
以上の内容をまとめると…
1. ダウンチューニングとは?
通常のチューニングから音程を下げてチューニングをして”轟音”を出す手法!ヘヴィメタル等の音楽にぴったり!
2. 〇音下げチューニング
「スタンダード・チューニング」から全部の弦を均一に〇音下げたチューニング方法。下げすぎに注意!(笑)
3. ドロップ〇チューニング
「スタンダード・チューニング」から6弦だけを1音下げるチューニング
〇が6弦のチューニング音をあらわすのでさらに低いチューニングは逆算すべし!迷ったらググる!(笑)。
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!