間違わないギター選び!第4弾 ~ネックジョイント編~
今回はエレキギターの構造上の「ネックジョイント」について少しお話をしようと思います!
エレキギターは大きく分けてボディ部とネック部に分けられます。このネックとボディの接合部、3種類の構造があるのはご存知でしょうか?
ボディの一番端(一番下)までネックの木材が通っている構造(スルーネック)もあれば、ネックとボディがノリで頑丈につけられているタイプ(セットネック)、そしてネックとボディがネジで止められている構造(ボルトオン)のものがあります。
これらの構造によるサウンドの傾向や筆者の個人的な観点について少し解説してみようと思います。
それでは早速いってみましょう!
スルーネック
まずは「スルーネック」構造について。
先に述べた通り、ネックの木材がボディの末端まで通っていて一体化しているジョイント方式のことです。一体化しているので当然ネックを取り外したりすることは、ノコギリなどで切らない限り(笑)できません。
3種類のネックジョイントの中で最もサステインのあるサウンドだと思います。ネックとボディの接合部が一体化しているので、いくらでも握りやすい・弾きやすいように加工できるというのも特徴です。
筆者のメインギターもこの「スルーネック」タイプのフライングタイプギターですが、サウンドにどこか”粘り“を感じます。
セットネック
次は「セットネック」のネックジョイントについて。
一般的にレスポールやSG、エクスプローラー等ギブソン系ギターに多いネックジョイント方式です。ギターの構造上はネックとボディは別々になっていますが、くっつける時はノリで接合されます。
それ故によほど大掛かりな改造や修理、カスタマイズをする際以外はネックを外したりはしないと考えるのが無難だと思います。
近年では強度を確保するため、又はサウンド面の観点等から各社接合部の技術向上も図っているようです。昔に比べ、接合部がスルーネック並みに滑らかに削られているモデルも見るようになりました。
サステインはそれぞれ個体差はありますが、スルーネック同等くらいに考えておいてOKだと思います。
筆者はこちらの「セットネック」タイプのギターも音に“粘り”を感じます。
ボルトオン
最後にご紹介するのが「ボルトオン」タイプのネックジョイントについて。
こちらはネックとボディが完全に分かれていて、ネジで止められているタイプの接合方式です。ストラトキャスターやテレキャスター、ジャズマスター 、ジャガー、ムスタング…etc.フェンダー系ギターはほとんどそうです。
ネックをいつでも外せるので万が一ネックが折れてもネックごと交換することもできます。
たまにミュージシャンが言うような「〇〇年のストラトのボディに〇〇年のギターのネックを組み合わせているんだ」といったハイブリッドギターを作ることもできます(細かい形やネジ穴などを調整すれば)。
ネック接合部のネジと一緒に銀のプレート(ネックジョイント・プレート)がありますが、近年ではそういったパーツのカスタムパーツも出ています。接合部の質量を稼いでサウンド強化を図るのが目的です。他のジョイント方式にはない選択肢です。
ネジ止めを緩くしてサウンドに変化をつけるミュージシャンもいます。
やはりネックとボディが一体化していないせいで、振動を多少ロスするせいかサステインは3方式の中で最も短いと思います。音が全く伸びないわけではないのでご安心を。むしろ短い音価で弾く方が音楽的、と言うこともありますし。
このネックジョイントだけ唯一ボディから外せるのでリフレットやネック/ボディ周りのリペアの際、多少安く済む傾向にあります。
筆者が思うに「ボルトオン」タイプのギターは弾いていてどこか「カチッ」としたアタックのはっきりした音を感じます。そこらへんに「ボルトオン」タイプのギターの“ヌケの良さ”の秘密があるのかもしれませんねぇ…!?
まとめ
ギター選びの際やオーダーメイドギターを注文する際など、ちょっとした予備知識としてお役に立てれば幸いです。
熱いハートを燃やして、ガンガンいきましょう!
さて、以上の内容をまとめると…
1. スルーネック
・ネックとボディ一体型
・サステイン長め
2. セットネック
・ネックとボディはノリ付けによる一体型
・サステイン長め
3. ボルトオン
・ネックとボディはネジ止めによる完全分離型
・サステインは他タイプより少し短いかも
・ネック交換やカスタマイズパーツ等カスタマイズ選択肢は多い
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!