挨拶
題材はくるりの「東京」という曲。上京したての主人公が東京の雑踏や喧騒に押しつぶされそうになった時に、故郷の町や友人・恋人を思い出すかのような歌詞が素朴なサウンドの楽曲とマッチしていますね。
「君が素敵だったこと」
「思い出してみようかな」
「君がいるかな」
あたりが心情的に「もう戻れない」ということなのでしょうか。また、粒の粗い、ジャリっとしたギターサウンドもまたどこか決してスマートではない心情を象徴しているような気がします。
さて、歌詞の世界に浸るのはここら辺にして、ギター的奏法解説に早速いってみましょう!
くるり東京ギターレッスン動画とtab
動画の中に目次を入れていますので、スマホyoutubeアプリやパソコンで閲覧すると使いやすいと思います。動画の最後の方にはエクササイズもありますので練習にお役立てください!
東京のイントロギターの特徴
このイントロフレーズの特徴としてはとてもシンプルで、全体を通して2音フレーズしか出てこないんです!
音楽的解説を含めると、どのフレーズも6弦でコードのルート音、3弦で3度の音を弾くような構成になっています。この「3度」の音を含めることでよりコード感が鮮明になるという特徴があります。何故かというとコードがメジャーなのか、マイナーなのかを決めるのが「3度」だからです。このイントロフレーズで言えばまさしくギターが楽曲のコード感をより鮮明に映し出しているようなイメージです。
そのあたりがパワーコード、すなわちルート音と5度を重ねた形と響きが異なる点です。
リズムについても規則性のあるパターンの連続なのが特徴と言えます。前半4小節に関しては1,2小節と3,4小節は全く同じリズム、後半4小節についてもほぼ同じリズムの繰り返しです。
ギターサウンドはあまりタイトではない低音、どこかルーズさのある音作りがポイントになります。このルーズさが歌詞の世界観、主人公の気だるい心情とマッチしているように筆者は感じます。
東京のイントロギターを練習するコツ〜ミュート〜
このギターフレーズにおいてカギになるのがミュートです。
このイントロフレーズは6弦と3弦を同時に弾くのですが4弦5弦そして2弦1弦は鳴らしたくない、というフレーズです。6弦は常に中指、3弦は常に小指を使って押弦するのですがその他の弦は人差し指でミュートします。
ミュートのコツは本当に「ただ触れるだけ」です。人差し指で1弦~5弦にただ触れておく、というのがポイントになります。ゆっくり指をそれぞれの弦に配置して、人差し指でミュートしたい弦に“ただ触れ”、右手でストロークした時にイメージした音が出たら完成です!
ミュートの感覚は最初掴むのに少々時間がかかりますが、まずは3日間取り組んでみて下さい!全員必ずできるようになりますから。最初できなくてもあまり気にせず、ストレスをためずに「そのうちできるようになるさ」くらいな気持ちでいてもいいと思います!
東京のイントロギターを練習するコツ〜リズム〜
今度はリズムです。
2分音符なのか付点4分音符なのか、4分音符なのか8分音符なのか、しっかり理解したうえで、「ワンツースリーフォー」と数えながら弾いてみて下さい。
弾くタイミングに特に注意して頂きたいのが前半4小節のうち1小節目と3小節目の付点4分音符とその後の8分音符の箇所。最後の8分音符をしっかり4拍目の裏で弾けていることを確認してくださいね!4小節目頭のC#mの一発目がミュートなのもご注意!最初から原曲のテンポで弾こうとするとちぐはぐしてしまったり、違ったリズムで覚えてしまう可能性があるのでまずはゆっくり理解を深めながら弾いていくのがポイントです!
東京のイントロギターを練習するコツ〜スライド〜
最後に一つお伝えしておきたいのがスライドです。
コードが1小節ずつ変わっていくこのイントロフレーズ、その変わる瞬間のポジション移動でスライドを使うとよりかっこよく曲を彩ることができます。
単純にミュートを含めたコードフォームを押さえたままポジションを移動すればOKです!
需要なのがスライドする速度です。素早くスライドするのか、タメを使ってすこしジワリとスライドするのか。この楽曲の場合はタメてジワリとスライドするのがオススメです。!色々試したり、原曲をよーく聴いてみたりしてください!
練習時の注意点
・ミュートの確認!イメージした音は出ているか!?
・リズムはあっているか!?まずはリズムを理解してゆっくり当てはめていく。
・スライドを入れてよりリアルな演奏に!
まとめ
以上、くるりの「東京」のイントロギターフレーズについてポイント解説しましたがいかがでしたでしょうか?
ギターってミュートだったりストロークだったり、一つのテクニックができるようになってくると益々楽しくなってくる楽器です!これからもそれぞれのペースでガンガン弾いていきましょうね!弾けば必ず上手くなりますから!
さて、以上の内容をまとめると…
1. ミュートの確認!イメージした音は出ているか!?
2. リズムはあっているか!? まずはリズムを理解してゆっくり当てはめていく。
3. スライドを入れてよりリアルな演奏に!
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!