現役プロが語る映画音楽の世界〜スターウォーズ ジョンウィリアムズ編01

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スターウォーズにおける、ジョン・ウィリアムズ・映画音楽の革命

こんにちは!ABCミュージックスクールDTM科講師の関口です。
今回のブログは一大事です!!

何故ならば、今回ご紹介する音楽作家は、私が12歳の時に映画館で見たスターウォーズエピソードIの音楽に衝撃を受けて作曲家になる夢を持った、言わば私のルーツと言っても過言では無い音楽だからです!

また、映画音楽の中で、あなたの好きな作曲家は?と聞かれたら、ベスト10には入ることでしょう。では、5人、3人、ひょっとしたらナンバーワンかもしれません!

何故、スターウォーズにおけるジョン・ウィリアムズの音楽が革命なのか?!また、ナンバーワンなのか、説明をさせて頂きたいと思います!!

フルオーケストラで、ライトモチーフを用いてスターウォーズの世界観を構築!

ライトモチーフとは、ワーグナーというロマン派の作曲家がオペラの中で用いた技法です。
例えば、各登場人物にそれぞれテーマを作り、そのテーマが流れると、その人物登場!主人公が苦境に陥った時は、テーマもダークに変容するという…なんだ、普通じゃん!と思われた方、このアイディアをオペラで発明したのがワーグナーで、それを、映画音楽で使ったのがジョン・ウィリアムズなのです!

これが、今では、当たり前になる様に、流れを作った、言わば革命児なのです!

圧倒的支持を受けるキャッチーなメロディーと豪華なオーケストレーション!

そもそも、監督のジョージ・ルーカスが映画を作った時に、「舞台は宇宙や異星人などお客には分かりづらいから、音楽は馴染み深いクラシック音楽を流そうか」と考えていたそうです。

その事をジョン・ウィリアムズに相談した所、「じゃあ後期ロマン派の様な音楽を書きますよ」との事で作曲が決まったとの事。

だから、音楽はシンセサイザーを使わず、大編成オーケストラで、耳に残るキャッチーなメロディーにしたという話があります。(当時はシンセサイザーが流行っていた時なので、それを一切用いない技法も革命的でした。)

それでは、お待たせいたしました!皆さんと共に、スターウォーズを彩る名曲の旅へスタート!

1 メイン・タイトル(ルークのテーマ)
2 レイアのテーマ
3 ダースベイダーのテーマ
4 アナキンのテーマ
5 運命の戦い
6 アクロス・ザ・スターズ(愛のテーマ)
7 英雄たちの戦い
8 レイのテーマ
9 レジスタンス・マーチ
10 森林での戦い
11 フォースのテーマ(仮)
12 Jedi Steps and Finale

メイン・タイトル(ルークのテーマ)


皆さんご存知、この曲が流れただけで映画が分かる、スターウォーズのメイン・タイトルです!!

この曲の魅力は何と言ってもメロディーとオーケストレーションの豪華さ、言わば、スターウォーズの魅力が全て入っている事です。

▼1秒〜
いきなりBbのコードがトランペットの高音に導かれ、ファンファーレの後、テーマが流れます。この時のコード、Bb7sus4add9、Bbの繰り返しなのです。

はて・・・トニックコードなのにM7じゃなくて7なの?ここが味噌です。これは、ミクソリディアの旋法が使われているのです。そして伴奏に耳を傾けてみましょう。

全部、裏拍や、三連符(の頭の音がない)の刻みに驚かれるのでは無いでしょうか?私の好きな言葉にバルトークという作曲家の「旋律が単純なほど伴奏は複雑にするべき」という格言があります。

白鳥の泳ぎにも例えられますが、旋律は単純明快でかっこいい、しかし、裏では複雑にオーケストラがフル回転している。この調和が見事に成り立っています。

さて、トランペットのAメロが終わると、伴奏だった弦楽器が大ユニゾンできらびやかにBメロを奏でます。ここで、ハープがいい味出していますね。

▼27秒〜
次々と楽器が重なり、トゥッティになると、Aメロの再現をホルンと弦で演奏します。

▼50秒〜
何と!ここから低音が順次進行で下がって行き、既に違うコード進行が出来上がっているのです!さらに、最初では、ヴァイオリンや木管が行っていた細かい動きをトランペットに演奏させます。細かくて高音域を演奏させる事により、緊張感が保たれております。

やがて、場面転換となり、ハイブリッドコードや、アッパーストラクチャートイアド等の和音で、調性を曖昧にします。

▼1分20秒〜
三連符系の動きがトゥッティになり、緊張感がMAXになった所で、次の場面になります。ここでは低音系の楽器がパワーコードを形成し、重厚感を与えています

▼1分18秒〜2分2秒
さて、次の短い場面ですが、これは反乱軍のテーマです。

▼2分3秒〜2分13秒
最初の主題がCに転調され戻って来ます。ここで、ようやくコードはCとFなどのダイアトニックコードが主役になりますが、依然としてb7、つまりBbやGmなどのコードも顔を覗かせます。

▼3分19秒〜
レイア姫のテーマがチェロで美しく登場します。ここでポイントなのが、フルートによって、反乱軍のテーマが奏でられる事です。レイア姫は、反乱軍のリーダー格の人ですから、大事な伏線となります。そして、三度、主題に戻ります。今度はGのkeyです。その後、反乱軍のテーマと重なり、荘厳なファンファーレでメイン・タイトルは終わります。

さて、(ルークのテーマ)と書かせて頂きましたが、このメイン・タイトルは正しく映画の序曲であると共に、主人公ルークのテーマなのです。これは、映画の中で、ルークが初めて登場する時に、この主題が流れる事からも分かります。

まとめ

さて、1曲解説するだけで、ブログの第1部が終わってしまいます!笑

しかし、それほど、この曲はスターウォーズの世界を表すのに欠かせない程の情報と作曲技法が使われている事がお分かり頂けましたでしょうか?
それでは、第2部で、またお会いしましょう!

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