即戦力の音作り 〜ギターアンプの音作りに重要な3つのポイント〜前編

こんにちは。ABC Music Schoolギター科講師の清水宥人です。
今回ははじめてバンドを組んだ、またはサークルなどの活動を始めて、さあスタジオへ繰り出すぞ!という段階の方へ、現場での音作りメソッドを伝授。はりきってどうぞ。

ギターアンプとは?

Mステの後ろや人気ロックバンドの後ろには必ずと言って良いほど置いてある大きなスピーカー。それがアンプ、俗に言うギターアンプです。誰もが一度は見たことがあるのでは無いでしょうか。でも、そもそもアンプってなんなのでしょうね。

アンプの意味と役割

意味はアンプリファイアの略語であり、増幅器。ギターから出る信号というのは微弱なもので、それを大きくするための役割を果たしています。このギターから出てアンプに入る信号の大きさを”ゲイン”と呼びます。この言葉、非常に大切になってくるのでまずはコレから覚えておきましょう。

音作りに重要な三つのポイント

さて、それでは実際に音作りの大枠から。
音作りにおいて重要な要素を大きく3つに分けます。

[✔︎]マスター

[✔︎]ゲイン

[✔︎]イコライザ

さっき出てきたゲインも入ってますね。

マスター

“マスター”は最終的な音の大きさ。”実際の音量”を決定する大切なツマミですが、“実際の音量”と”体感する音量”にはかなり差があります。これが厄介で難解。この後解説する内容と切り離せない関係です。ゆっくりついてきてください。

ゲイン

さて、ここがとても重要です。”ゲイン”のお話。

いわゆるエレキギターの”ジャーン”とか”キュイーン”とかは殆どこのゲインの調節で可能です。先程ギターからアンプに入る信号と言いましたが、電話をしていてあまりに大きな声で話すとたまに割れたりしますよね。ギターが”ジャーン”となる原理はこれと同じです。キャパオーバー、過入力ということですね。

ゲインと出音の関係を水溶き片栗粉で説明しましょう。

水=アンプのキャパ

片栗粉=ギターからの信号

とろとろの水溶き片栗粉を作りたいとします。ここで想像してみましょう。

“ゲイン”ツマミの100%が必ずしもとろとろの水溶き片栗粉を作る事になるとは限らないですよね。

あげすぎると音が潰れたり、割れたりして聴こえづらくなります。

片栗粉も入れすぎるとドンドン固まって玉になります。まさにそのイメージです。

これを肝に銘じましょう。

イコライザの基礎

さて次に”イコライザ”。アンプによって様々な効き方をするのでここではあくまで大枠とコツを。

イコライザ”は入ってきた音を補正するツマミ。池田エライザさんじゃありません。

高音域を調節する”トレブル”
中音域を調節する”ミドル”
低音域を調節する”ベース”

の3つで主にコントロールします。固有のツマミもありますがそれはまた後で解説しますよ。

ギターアンプの”イコライザ”にはタイプが2種類あります。

ツマミを上げると先程のゲインに”足されていく”ものと、

ゲインありきでイコライザのツマミフルテン状態から”削られていく”もの。

ここが一番重要です。これを知らないと別のアンプしかない時に、うまく音が作れない!といった事態に。(ここでは足されていくものを+タイプ、削られていくものを−タイプと分けます。)

見分ける方法は簡単。

ゲインとマスターだけ上げてイコライザのツマミを全てゼロにした時に音が出ない!

−タイプ (マーシャル、JC-120など)

ゲインとマスターだけ上げてイコライザのツマミを全てゼロにした時にでも音が出る!

+タイプ (VOXの一部)

です。注意しましょう!

上記を踏まえた上で、ベーシックなアンプは基本的にフルテン(つまみを右に回し切る)状態が基本であることを覚えておきましょう。そして上げれば上げるほど、レンジ(音域)が広くなると考えましょう。

後編へ

さてさて。いかがでしょうか。出来るだけ無駄を省き、キモとなる部分をおさえて1時間後からでも使える知識を中心にお送りしていきます。

後編では具体的なイコライザーの解説を絡めて、音作りを完成に持っていきましょう。
次回もお楽しみに。

ABC Music School ギター科講師
清水宥人

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ABOUTこの記事をかいた人

プロギタリスト。ESPミュージカルアカデミー卒。 在学中は渋谷公会堂にて行われたコンテストにてグランプリ受賞、 学内コンテストファイナリスト、校内レコーディングメンバーに選ばれる等の優秀な成績を残す。現在はプロギタリストとして演奏、レコーディング、編曲ほかbarのセッションホストなども務める。