いまさら聞けないギター基礎知識∼「弦高」について∼
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こんにちは!ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀です。
今回のテーマは「弦高」について。
アコギ/エレキ問わず、ギターという楽器はある程度楽器のセッティングを自身で手軽に微調整できる構造になっています。
ピアノやヴァイオリン等「楽器の調整はプロじゃないとできない」というような楽器に分類されないのが一つ大きなアドバンテージな楽器なわけで、今までも多くの著名ギタリスト達が自分の弾きやすいように自身のギターを調整して名演を残してきたわけです。
少し例を挙げてみるとまずネック調整ですが本来まっすぐが理想とされていますが、好みによってはほんの少し順/逆反り気味に調整するミュージシャン。
各パーツのグレードアップや弦ゲージの変更、トレモロのバネの張りの調整や弦の張り方等。
※以前著名ジャズギタリストパット・マルティーノが来日した際のセミナーで、1弦が何度も切れるのをギターの先生に「ピッキングを直せ」と指摘されたが単にもっと太い弦を張ったら解決したというエピソードを思い出します(笑)。
弦とボディの振動効率等を考慮すると確かにうなずけるのですが、「ストラトキャスターのピックガードのねじの締め具合で音が変わる」なんて言うミュージシャンもいます!
中でも「弦高」というのが弾き心地に直接関係する重要なポイントなのですが、「弦高」とは何のことなのか?
調整するとどうなるのか?について解説してみようと思います。
それでは早速行ってみましょう!
「弦高」とは?
「弦高」というのは「何所も押えていない状態のギターの、弦とフレットとの距離」のことを指します。
弦高が高ければ弦とフレットとの距離が長い(遠い)ので押し弦するのに距離があるので大変=弾きづらい
という子事になります。
逆に弦高が低ければ弦とフレットとの距離が短い(近い)ので押し弦するのが楽=弾きやすい
ということになります。
テンション感が強い/弱いとは要するに弦をどれだけ押さないとフレットまで届かないのか、という感覚だと筆者は思います。
「弦高」の測り方
次は弦高の測り方について。
チューニングが完了した状態で1,6弦の12フレット上を測るのが一般的です。
フレット天辺から弦の下側までの距離を測ります。
ミリ単位で弾き心地は変わるので、できる限り正確/精密な定規を使うのが◎!
「弦高」の目安
以下に挙げるのは一般的とされている弦高の目安です。
あくまで“目安”なので、ご自身のお好みやギターの状態に合わせて調整してください!
責任は負いかねます!(笑)
・エレキギター
1弦 1.2mm~1.5mm
6弦 1.5mm~1.8mm
・アコースティックギター
1弦 2.0mm前後
6弦 2.5∼2.8mm
「弦高」によるサウンドへの影響
弦高が変わればまず「弾きやすさが変わる」、というのは上記にご説明した通りです。
サウンドへも少なからず影響があるのですが、
弦高が高い=ハリがあってしっかりした音
弦高が低い=多少ルーズな音
と形容するのが一般的です。
「弦高」はどう調整するのか?
最後はその調整方法ですがアコギ/エレキで調整する手間やリスクが多少違います!
・エレキギター
ブリッジのパーツにもよりますが、各弦の弦高を調整できるタイプもあればブリッジ全体の高さを調整するタイプもあります。比較的容易且つ微調整が可能です。
・アコースティックギター
ほとんどの場合、弦が乗っている「サドル」というブリッジ上の白い(おそらくほとんどのアコギに於いて)パーツをやすりで削る方法が一般的かと思います。
この場合削りすぎると弦高が低くなりすぎてしまうというリスクがあります!
そうなってしまった場合は楽器店/ギター工房に預けるか、再度楽器店などでサドルのパーツだけ買ってもう一度削り直しです!
頑張ってください !(笑)
まとめ
「弦高」についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
筆者の個人的なオススメは楽器店にまず預けて、一般的な目安の弦高に調整をお願いするのが一番です!
本当にこれについては正解がない世界ですので、その上で皆さん色んなセッティングを試して頂いて、「弦高を変えると弾き心地が変わる!」を実感していただき、終着点を見つけてみてください!
最後はご自身のギターでどれだけいいプレイをするかにかかっています!
以上の内容をまとめると…
1.「弦高」とは?
弦とフレットとの距離。
弦高が高い=弾きづらい
弦高が低い=弾きやすい
2.「弦高」の測り方
チューニングした状態で1,6弦の12フレット上を測る。
正確/精密な定規でフレット天辺から弦の下側までの距離を測る。
3.「弦高」の目安
・エレキギター
1弦 1.2mm~1.5mm
6弦 1.5mm~1.8mm
・アコースティックギター
1弦 2.0mm前後
6弦 2.5∼2.8mm
4.「弦高」によるサウンドへの影響
弦高が高い=ハリがあってしっかりした音
弦高が低い=多少ルーズな音
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!