エフェクター講習会⑦ ~エフェクターの繋ぎ順~
今回の記事のお題は「エフェクターの繋ぎ順」について。
多くの曲のコピーやライブ経験を積んでくると自然とエフェクターが増えてくると思います。オリジナルのバンドや自身の音に疑問を持ち続けて“シグネチャー音”を探す人はよりアバンギャルドなエフェクターもペダルボードに組まれていくでしょう。
1軍のエフェクター達が揃ったら次に悩むのが、その「繋ぎ順」です!
例えば、歪みエフェクターとコーラスエフェクターを用いる場合、
ギター→歪み→コーラス→アンプの順に繋ぐのか、
ギター→コーラス→歪み→アンプと繋ぐのかを選択できるわけです。
この場合、前者は歪んだギター音にコーラスがかかります。
後者はコーラスのかかったギター音に歪みがかかります。
両者聴き比べると最終的にアンプから出てくる音に明らかな違いがあるんです!
この繋ぎ順で悩まれる方も多いと思いますが、先ずは一般的な“セオリー”のご紹介。
そしてもう一つは“自己流”繋ぎ順についてご紹介したいと思います!
それでは早速行ってみましょう!
エフェクターの種類
・ダイナミクス系 … コンプ、リミッター。
・歪み系 … ブースター、オーバードライブ、ディストーション、ファズ。
・モジュレーション系 … コーラス、フェイザー、フランジャー、トレモロ。
・空間系 … ディレイ、リバーブ。
・その他 … ボリュームペダル、ワウ、イコライザー。
“セオリー”通りの繋ぎ順
まずは一般的且つ模範的な繋ぎ順について。
以下にご紹介する例は、あくまで現代においての「一般的」な繋ぎ順と捉えておいてください!
読者の中には首を傾げる箇所もあったり、時代と共に求められる音、エフェクターは変わりますので100年後にこの記事を読んだら“全く一般的でない”可能性もあります!(笑)
繋ぎ順としては、
(ボリュームペダル)→ダイナミクス系→ワウ→歪み系→イコライザー→モジュレーション系→空間系→(ボリュームペダル)
が一般的かと思います。
※最終的なアンプの設定にもよりますが、ボリュームペダルは1番最初(ギター側)に繋ぐと歪み量も含めて音量をコントロールでき、1番最後(アンプ側)に繋ぐと歪みを落とさずに音量だけコントロールできます。
ハイ/ロー・インピーダンスもお間違えなく!
自己流繋ぎ順
もう一つは「自己流の繋ぎ順」。
特に海外メーカーの質問コーナーやブログで度々議題にあがる「エフェクターの正しい繋ぎ順とは?」という問いに対して、
著名ミュージシャン数名がそれぞれのセッティングや持論を交えながら答えているのを読むと皆口揃えて、
「結局、自分の好きな音が正しい繋ぎ順だ!」
と言っているのをよく見かけます。
そういうことなんです!
今までの、シグネチャートーンを確立してきた著名ギタリスト、真新しい音楽ジャンルを築き上げてきたアーティスト達は皆自分の耳を頼りに音作りをしてきたわけです!
「ノイジーなギターサウンドなら歪みは最後に…リバーブを先に…」
「イコライザーを先頭に…ワウを先頭に…」等、
きっとスタジオにこもっての真夜中のソロリハーサルが楽しくてたまらなかったことでしょう。
まとめ
音楽、さらにはギターというものはルールがない物です。模範的にセオリー通りの繋ぎ順で始めるもよし、いきなり任意に並び替えて好きな音を探すもよし、な訳です!
基本を知り、応用するもありですし、煮詰まったら一度基本に帰る音作りもいいかもしれません。
ああだもない、こうでもないとやっているうちにギター的(無駄)知識が増えていく事でしょう!(笑)
以上の内容をまとめると…
1. “セオリー”通りの繋ぎ順
一般的な繋ぎ順。思った音にならない時はここに帰るといいかも?
2. “自己流”繋ぎ順
自身のシグネチャートーンを探せ!これこそがギターの醍醐味かも⁉︎
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!