エレキギターには夢がある!エレキギターの魅力について ~なぜアコギではなく、エレキなのか~
今回は「エレキギターの魅力」についてご紹介しようと思います!
元をたどれば最初期のエレキギターの開発は1930年代に遡ります。
エレキギターの開発動機については諸説ありますが、アコースティクギターではジャズバンドやアンサンブルなどで生音量が小さすぎて、サックスなどの楽器に負けてしまうのをどうにかしようと始まった説が有力に思います。
アンプを通して小さい生音を増幅させることに成功し、一躍楽器界の異端児として十分な音量を稼ぎ、ソロを奏でられる楽器として歴史が始まりました。
その後エフェクターや周辺機材の開発、エレキギター自体にも改良が重ねられ、ブルース、ロックミュージックやポップス、R&B等それぞれの“時代の音”を作る牽引役としての地位を確立します。
誕生してから100年も経っていない歴史の浅い楽器ではありますが、今日では生活に根付いている楽器:エレキギター。
その魅力についてあまり難しい言葉を使わずに、シンプルに解説していきたいと思います。
それでは早速いってみましょう!
ボディの形は何でもアリ!夢は無限大!
筆者が思うエレキギターの魅力No.1がこちら、「どんな形でも作れる」というポイントです。
ピアノはピアノの形、サックスはサックスの形、等他楽器の多くは形状がある程度決まっています。
エレキギターは基本的にネック、弦、そしてボディにピックアップ(音を拾うパーツ)さえついていれば音が出ます。
従って、ネックのつくりや弦を張る部分の寸法さえ間違っていなければボディの形は何でもあり得るわけです。
フライパンのように真ん丸(バンジョーのよう)な形状も可能ですし、ハートの形や三角形も可能です。
現に日本人ギタリスト達がサーフボードの形のエレキギターや、奇抜な天使の彫刻が掘ってあるギターを弾いている姿を、ふと茶の間でテレビを見てると出くわします。
そんな想像の産物を現実に呼び起こしてしまう日本のギター職人、まさに“クレイジージャパニーズ”。
一般に目にする“ストラトキャスター”や“テレキャスター”、“レスポール”等は、人間がある程度座った(立った)時に弾きやすいようにボディにくびれがついていたり、カッタウェイ(ボディのネックの付け根あたりのくぼみ)がある設計になっているだけです。
「だけ」といえども上記に挙げた一般的なギターはどれもどこか“美しさ”を感じるのは、これまでの世界中のギター職人達の膨大な研究/実験の結果なのでしょう。
どちらにせよ、どんなボディでもあり得るエレキギター、夢がありますよね!
多彩な音色が出せる~バンド内の花形楽器~
エレキギターのもう一つの大きな魅力は「多彩な音が出せる」というポイント。
エフェクターの開発等によって実に多くの音色を獲得したエレキギター。
騒がしいガンガンなロックギターの音も出せれば、綺麗なクリーントーン、深海にいるようなコーラスがかかった音、R&Bにうってつけのワウペダルを使った奏法など、ジャンル問わず、街で流れている音楽でエレキギターを使ってない音楽は殆ど無いといっても過言ではないと思います。
それだけ「何でもできる」、いわば器用貧乏的な楽器:エレキギター。
それを極めに極めたプレイヤーが操ることで唯一無二の音楽が創造できるんじゃないかと筆者は思います。
少し前から“ギターソロが入っているポップスやロックの曲が最近は減ってきている…”という意見を耳にしたりもしますが、かといって他の楽器に侵食されたわけでもないように思います。
“熱いギター”の名演を残していけば、未だ見ぬエレキギターの全盛期を築いていけるのではないでしょうか!?
そんな潜在能力を持った“花形楽器”だと筆者は確信しています。
生音が小さい~練習環境への適応力大~
エレキギターの開発動機と逆行しているように思えますが、この「生音が小さい」というのはメリットにもなり得るのです。
プロフェッショナルな現場、ライブやリハーサル等、観客に“聴かせる”環境においては確かにある程度の音量を稼ぐ必要があります。まさしくエレキギターの開発動機ですね。
しかし、エレキギターを弾くことを生業にする人/趣味で楽しむ人に関わらず、家で練習する時に大音量で弾く必要がある人はさほど多くないはずです。
自宅でライブ並みの音量で弾くとしたら、隣人の逆鱗に触れることを覚悟するか防音室を作るかどっちかです。
ピアノやサックスはその最小音量でさえもある程度響いてしまうのが、練習時に問題になる場合があります。
そこで、エレキギターは生音がとても小さいのでアンプに通さずに練習すれば住宅街に響くことはないでしょう。また、昨今の練習用ギターアンプにはヘッドホンを挿せる機能がついてるモデルがほとんどです。
これなら自分の耳だけにガンガンのギター音を流すことができます。
案外、エレキギターは練習環境を選ばない、便利な楽器でもあるのです。
※アンプに通さずに練習するとピッキング他テクニックが上達しない等のご意見もあると思います。
ここではあくまで「練習環境」「騒音」に焦点を当てた考え方についての筆者の意見です。そこら辺は柔軟にお願いします…。
まとめ
「聴覚」に訴えかける、音楽を奏でるための楽器であることは前提ですが、見た目やデザイン等「視覚」でも楽しめる楽器:エレキギター。
唯一無二のエレキギターで、唯一無二の“熱い”音で、極力騒音にならない練習(笑)を重ねて、世界を席巻して行ってください!
さて、以上の内容をまとめると…
1. ボディの形は何でもアリ!
… なんて“夢”がある楽器なのでしょう。
2. 多彩な音色が出せる~バンド内の花形楽器~
… “泣きのギターソロ”という言葉がある所以ですね。
3. 生音が小さい~練習環境への適応力大~
… 家でいっぱいできるからギタリストは引っ込み思案なのかもしれませんね!(笑)
コロナウィルス騒ぎで外出自粛が促されている今、“夢”がありまくるエレキギターを思い切って始めるのはいかがですか?
マスク無しに外に出られるようになった頃にはあなたもプロ並み!?
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!