フロイドローズ・トレモロとは?~トレモロユニット界の雄~

今回のテーマは「フロイドローズ・トレモロ」について。
その画期的な設計と著名ミュージシャンの使用により瞬く間にギター界を席巻したトレモロユニットです!
従来のトレモロユニットでは不可能だった奏法を可能にし、過使用によるチューニングの不安定性を解消した、いまだに世界中のミュージシャンが使用し続けている(筆者もその愛用者の1人!)のが「フロイドローズ・トレモロ」
しかしその構造ゆえチューニングの変更や弦交換、また弦切れ等のトラブルの際は手間がかかり、多くの“フロイドローズ恐怖症”を産んできたのも事実(笑)。
そんな“悪魔と契約”をするような心構えがいるトレモロユニットをご紹介したいと思います!
それでは早速行ってみましょう!
歴史

開発者はギタリスト兼エンジニアであった「フロイド・ローズ」氏。
氏が従来のトレモロのチューニングの安定性に悩み、原因の一つであるナット部分で弦をロックする機構の開発に着手したのが1976年ごろ。
1979年には特許取得、そして1980年代初頭著名ミュージシャンが使用したことで大ブレイク!
使用者はエドワード・ヴァン・ヘイレンに始まり、ジョー・サトリアーニ、スティーヴ・ヴァイ…名前を聞いただけでも奇抜なアームプレイが聴こえてきそうですね!(笑)
それまでアーム奏法とは無縁のギタリスト達が翌日からフロイドローズ・トレモロを載せてアームを乱用、なんてこともあったそうです!(笑)
現在では特許期間が終え他社ライセンス品も多く存在しますが、オリジナルの精度の高さゆえ規格は大きく変わることなく製造されています!
ダブル・ロッキング機構

フロイドローズ・トレモロをそれたらしめているのが「ダブル・ロッキング機構」。
従来のトレモロユニットのチューニングがズレる原因の一つ、「弦がナット状を滑る」という点を根本から見直し弦をビスでロック(留めて)、「摩擦を極限まで減らす」どころか「全く動かない」という設計。
ブリッジ側も裏から弦を通すのではなく、サドルに直接弦を挟むロック(留める)機構です。
こうしてナット/ブリッジ両側をロックするので「ダブル・ロッキング」トレモロと呼ばれます。
ブリッジサドル部に弦の“始点”があることでアーミングの音程幅を稼いでいます!
完成度の高さ

フロイドローズ・トレモロは開発/発売以来いまだにプロ現場で使われていますが、その事実自体がすでに完成度の高さを証明しています!
チューニングの安定性、アームアップ/ダウンの操作幅、耐久性等どれをとってもトップクラス!
知っておきたいこと

フロイドローズ・トレモロについて知っておきたいこと。
シンクロナイズド・トレモロも同様ですが、ギターのボディ裏のバネの張力とチューニングした弦の張力を吊り合わせる機構のトレモロユニットは、弦が切れると張力バランスが変わり他全弦のチューニングが狂うという特徴があります。
普通のナットであれば、ペグを回せばチューニングを緊急的に戻せますがフロイドローズ・トレモロはそうはいきません(笑)。
六角レンチでロックを3つ外して…演奏中に弦が切れてしまったらそんな事をやっている間にギターソロは終わり、次の曲が始まる、という事になります。
こういう時にボーカルに「MCで繋いで」とか頼むと大抵キレられます!(笑)
同様に瞬時のチューニング変更というのも、基本的に無理と思っておいたほうが吉。
「アーミング・アジャスター」と呼ばれるカスタムパーツなどを使えばこういったトラブルは軽減できますが、とにかく弦を切らない事が一番です!
まとめ

安定したチューニングとトレモロユニットとしての機能を大幅に押し上げた「フロイドローズ・トレモロ」。
乱用する“中毒者”もいれば、リスクを知り“恐怖症”になる人もいますが(笑)、少しでも「フロイドローズ・トレモロ」とはどんなブリッジなのか?ということが伝われば幸いです!
以上の内容をまとめると…
1.歴史
実用化されたのが1980年前後。
未だに愛用者の多い画期的な発明品!
2.ダブル・ロッキング機構
ナット/ブリッジ両側で弦をロック(留める)する機構。
3.完成度の高さ
今なおプロ現場で使われる、チューニングの安定度とアームの操作幅は随一!
4.知っておきたいこと
弦が切れたら全弦チューニングが狂う、瞬時の弦交換は無理。
「弦は切らない」が鉄則!(笑)
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう!







