トレモロユニットの種類について~ギブソン系ギター編~

トレモロユニットの種類について~ギブソン系ギター編~

星野講師
こんにちは!ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀です。

今回のテーマも「トレモロユニットの種類」について。

先の回ではフェンダー系ギターのトレモロユニットについて紹介しました。

万能かつ今なお人気の「シンクロナイズド・トレモロ」、ゆるやかな音程変化が特徴的な「フローティング・トレモロ」、じゃじゃ馬的ギターに定番の「ダイナミック・ビブラート」、フェンダー社が新製品を発表する度に新らしいトレモロが誕生してきました。

“対抗措置”というのは競争社会における世の常(笑)、フェンダー社がトレモロユニットを開発すれば当然ギブソン社もその開発に着工するわけですが、どんなトレモロユニットが誕生したのかまとめたいと思います!

それでは早速行ってみましょう!

 

サイドウェイ・ヴァイブローラ


マニアックな方ならご存知、かつてSGに搭載されていたトレモロユニットです!

生産数は3000本ほどにとどまっているそうで、なかなか希少なモデルです!

正式名称は「Swing Away Pull Sideway」

アームをボディに対して垂直、ではなく並行に操作する珍しいユニット。

アームはアップもダウンも可能です。

チューニングが狂いやすく、おまけに部品の劣化も激しい、実用性があるかどうかは何とも言えないところのようです!(笑)

しかしギタリストという生き物はその“扱いづらさ”をいかに音楽的に昇華させるかに喜びを感じ、手のかかるギターほど愛着を湧かせてしまうという謎の性分です(笑)。

トレモロユニット自体の剛健なルックスも含めて根強いファンが未だにいます!

ちなみにその大きさに伴う質量から、SGにありがちな「ヘッド落ち」対策にも一躍役買っています。
 

マエストロ・ヴァイブローラ(ショート/ロング)


次に紹介したいのは「マエストロ・ヴァイブローラ」。

こちらはショートタイプとロングタイプが存在します。

どちらもトレモロユニットとしての構造は同じで、その構造は至極単純。

湾曲した金属版をアームで押し潰して、その元に戻る力で元の位置に戻るという板バネ式の構造。

ショートとロングの違いはこのアームユニットの後ろに“飾り”として金属プレート(おそらくルックスを目的)があるかないか、です。

その金属プレートで重さを稼ぐことで「ヘッド落ち」を防ぐ意図もあったようです。

音程変化は小さく、本当に“ヴィブラート”程度と言っていいでしょう。そしてチューニングに関しては、もちろん狂います(笑)。

しかもアームダウンしかできないと思っておいてください。

単純すぎる構造上音程変化を狙って使うものではない気がしますが、微妙な“ズレ”がサーフミュージックやレトロな雰囲気を醸し出すのにピッタリだったのではないでしょうか。
 

ビグスビー・ビブラート


最後にご紹介するのが「ビグスビー・ビブラート」。

このユニットはギブソン社が開発したものではありませんが、ギブソン社製ギターに標準搭載されたモデルが多数あるのでご紹介しておきます。

上記2つのモデルとはまた構造が違い、弦が巻き付いた部分が回転式のシャフトになっており、手で操作するアーム(ハンドル)部分はバネによって稼働します。アームアップ/ダウン両方向可能です。

音程変化幅とチューニングの安定性、どれをとっても今回挙げた3つのトレモロユニット中一番クオリティが高いと思います!

このユニットも質量が大きく、“剛健”なルックスと「ヘッド落ち」の防止にも役立ちます。
 

まとめ

星野講師
「トレモロユニットの種類について~ギブソン系ギター編~」まとめてみましたがいかがでしたでしょうか?

こうして時代とともに開発されてきた歴代のトレモロユニットを挙げてみると、ギター製作家達の試行錯誤が垣間見れますね!

「音楽というものにはルールがない」という大前提をもとにその「音楽」を“耳”で感じるのか“目”で感じるのか、要するにチューニングの精度をとるのかギターのルックスを含めた“音”なのか、こういうところもギターの魅力です!

以上の内容をまとめると…
 
1.サイドウェイ・ヴァイブローラ
最初期のタイプ。チューニング不安定さや部品の劣化等気になるところもあるがその“歴史を背負う”カッコよさもあるんじゃないでしょうか⁉︎
 
2.マエストロ・ヴァイブローラ(ショート/ロング)
板バネ式のユニット。音程可変幅小。チューニングがずれた“ゆれ” は音楽的に使うことも⁉︎
 
3.ビグスビー・ビブラート
チューニングの安定性、音程可変幅等最も実用的!
シャフト式、「ヘッド落ち」を防ぐ質量、“剛健”なルックス。
 
ABCミュージックスクールギター科講師の星野尚紀がお送りしました。
また次回お会いしましょう。

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