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daw作曲におすすめ!ピアノ音源IvoryII
今回はSynthogy(シンソジー)社のピアノ音源IvoryIIの紹介をしたいと思います。
色々なメーカーからピアノ音源はたくさん出ていますが、私が試した中で、1番グランドピアノとして使いやすいのはIvoryIIだと思います。
打鍵してから音が消えるまでの存在感、佇まい、響き方、生のピアノを弾く人なら特にそれらを感じられると思います。
ピアノ曲や、バラードをやるなら特に必須のソフト音源です。
ピアノ音・IvoryIIとは?
最大18段階のベロシティサンプルに、ハーフペダル対応、最高のスタジオで最高の楽器、最高のエンジニアが最高の機材でサンプリングしたピアノ音源です。楽器は、以下の3種類がデフォルトで収録されています。
・German Steinway D9 Concert Grand
・Yamayha C7 Grand
どんな音?
音源も用意したので合わせて聞いてみて下さい!自分で演奏したのですが、私はピアノは習っていないので、演奏は上手くありません…。
でも、だからこそ伝わるリアルさがあると思います(言い訳…)。
*わかりやすいように全て同じmidiデータを使用しております。
Bösendorfer 290 Imperial Grand
IvoryII実機の世間的な評価
皇帝という名前がつき、ピアノ界のロールスロイスと呼ばれています。
そんな名前からすると硬くて重厚なイメージですが、音源を聞いた通り柔らかく優しい音なんです。私は実際に生290を弾かせてもらった事がありますが、鍵盤も軽く弾きやすかったです。
通常ピアノの鍵盤数は88鍵ですが、290は鍵盤数が97鍵あるんですよ!低音側に8鍵追加されていて、290用の楽曲もあります。もちろんIvoryIIにも97鍵しっかり収録されていますよ。
ちなみにお値段2千5百万円(!)だそうです。
German Steinway D9 Concert Grand
世界中で愛されピアノを弾かない人でも知っている、Piano Of Piano、Steinwayです。低音域のふくよかさ、高音域の煌びやかさ、とてもバランスが良く素晴らしいですね。
クラシックのピアニストだけではなく、ジャズ、ポップスのピアニストにも使用者は多いです。世界中の名だたるコンサート会場にも用意されています。
ちなみにSteinwayも2千万円くらいするそうですよ!
Yamayha C7 Grand
日本が世界に誇るコンサートピアノ、C7です。
私は昔使っていたスタジオにこのピアノがあったので、よく弾かせてもらいました。上記二つに比べると少し硬めの音質で、この3台の中ではアンサンブルの中には比較的馴染みやすいと思います。
ちなみにお値段3百万円。
上の二つに比べて安い!と思ってしまいますが、3百万円ですからね。車買えますよ。3台合わせて5千万円近い楽器をIvoryIIなら3万円程で買えます(宣伝っぽくなってしまいましたが)。
他にも同社から追加音源が何種類か販売されています。
ある程度高スペックなPC、Macでないとソフトが重いので注意が必要です(一応軽めの音色も用意されています)。
音源のライブラリ自体も77GBあるので外付けHDDは必須です。購入の際には公式サイトのスペックを必ず参考にして下さい。
こんな人にオススメ!
・電子ピアノなどをPCに繋いでピアノの練習をしたい方
・ポップスやロックでバラード、ジャズなどを作る方
とにかくピアノを前面に出した曲を作りたい方には本当にオススメです。
J-POPの作家を目指している方にも使って欲しいです。
IvoryIIの苦手なジャンル…
いくら生々しくて良い音の音源でも万能で何にでも使えるという訳ではありません。
ロックやハウスなどのエレクトロ系(アップテンポなもの)などは苦手です。
この手のピアノ音源にありがちな、中低音域が豊かすぎて楽曲によっては馴染み辛くなってしまうのです。
EQで気になる帯域を削ってもいいのですが、かなりシビアに音作りしないと、IvoryIIの持つピアノらしく美味しい帯域まで削ってしまうので注意が必要です。
ロックやエレクトロなどには少し硬めの、電子ピアノなどのような音色や、いわゆるステージピアノと呼ばれるRolandのRDシリーズなどが合います。
私はcubase付属のHalion Sonicに入っている、YAMAHA S90 ES Grand Pianoという音色などをロックではよく使います。
ピアノ音源に限らず、例え単音だとチープになっても曲に合った音色を選ぶ事が大切です。
IvoryIIの使い方
ここでは簡単ではありますが、IvoryIIの使い方を解説したいと思います。
IvoryIIを立ち上げると、このような画面が出てきます。
音色選び
まず最初に音色を選びましょう。
上の画像の赤丸の箇所をプルダウンしてピアノのメーカー名、音色を選んでいきます。PCのスペックによっては読み込みに少し時間がかかる事もあります。
ベロシティが細かく別れている音色だと重いという方は、ベロシティのダイナミックレベルが少ない音色も選べます。
ペダルやハンマー音などの設定
このセクションではサスティンペダルを踏んだ時のノイズや、押した鍵盤が元に戻る時に鳴る時のノイズ、ハンマーが弦を叩く時になる音などの音量を調整できます。
上で使った音源にペダルノイズ、ハンマーノイズを加えた音源も作ってみました。
音色はSteinwayです。
このようにノイズを大きくすると生々しい音になりますが、アンサンブルの中に入るとただの雑音になってしまったり、低音域の倍音が大きく膨らみ扱いづらい事もあるので、様子を見ながら上げていきましょう。
stereo perspective という項目があるのですが、これはパフォーマー視点とオーディエンス視点が選べます。パフォーマー視点だと左に低音、右に高音のようにパンが振られています(一般的なピアノ音源も大体これですね)。
オーディエンス視点だと逆に左に高音、右に低音となります。ドラム音源もドラマー視点とオーディエンス視点で調整出来るものがありますが、こういった調整が音源側で出来るのは地味に有難いです。
シンセレイヤー
この赤丸のセクションでシンセレイヤーが出来ます。
レイヤーとは簡単に言うと音を重ねる事で、音を出すとピアノの音と一緒にシンセの音も出ます。
IvoryIIの場合はシンセパッドなどをピアノに重ねる事ができ、ポップスなどで音と音の隙間を埋めるのに重宝します。
シンセレイヤーを使った別音源も作ってみたので聞いてみて下さい!
これでサビだけストリングスの音量上げて、編曲や演出の幅を広げているようです。他にもシンセレイヤーで現代音楽的な表現や、ピアノ単体では出来なかった表現が発見出来るので、是非色々試してみて下さい!
内蔵エフェクター
画面上のeffectのアイコンをクリックします。
ここでは内蔵エフェクトの調整が出来ます。
デフォルトではリバーブがかかっているプリセットが多いです。質感の良いリバーブですが、状況に応じて調整しましょう。他に3バンドEQとコーラスがあります。
まとめ
ピアノに限らず生楽器の録音は、部屋の鳴り方やマイクの位置(1mm単位で音が変わります)、楽器のコンディションなど様々な要因が絡んできます。
私は自分でマイクを立てて、グラントピアノをレコーディングした事がありますが、IvoryIIの音質には遠く及びませんでした(当たり前ですが)。
安定して高いクオリティの音が、いつでもどこでも使える現代は本当に凄いと思います。
とはいえ、上の方でも書きましたが、必ずこの音があれば他はいらない!というくらいの音源は中々ありません。
せっかく買ったから使いたいという気持ちもわかりますが、曲によって音源を変えていく事も大切です。常にいくつかの選択肢があると良いと思います!
以上、ABCミュージックスクールDTM教室科・菅谷豊でした。
また次回、お会いしましょう!