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こんにちは!ABCミュージックスクールドラム科のトッシーです!
今回はドラマーレビュー!最強のセッションドラマー、スティーブガッドについて書いていきます!!
スティーブガッドの代表曲
steely dan-Aja
https://www.youtube.com/watch?v=pGmB7Jksl5k
数々の一流スタジオミュージシャンを演奏陣に加え、多くの名曲を世に出したスティーリー・ダンから77年にリリースされたAja、スティーブガッドはこの表題曲のみに参加です。
8分近くある壮大な曲ですが、グルーブもソロもスティーブガッドのエッセンスが詰まっており、是非聞いていただきたい!
ただ「うまい」「正確」だというだけでなく、どうやったら楽曲が盛り上がるのか、ボーカルが引き立つのか、それらを熟知した彼の巧みさに触れることができる必聴の一曲です!!
Paul Simon-50 Ways to Leave Your Lover (Audio)
インタビューや動画の中で本人が語っている通り、歌もののバッキングでも新しく思いついたクリエイティブなアイデアを楽曲の中で積極的に試すタイプのドラマーでした。ポールサイモンのこの楽曲でも、のちにスティーブガッド自身の代名詞的になるグルーブを披露していますが、非常に斬新で個性的なプレイにも関わらず、楽曲を盛り上げ、特徴づけていることがわかると思います。ニューオリンズスタイルに影響を受けたと語っていますが、彼の深い音楽に対する知識と、圧倒的な基礎能力がこの名演奏、そして名曲を世に生んだ原動力となったのかもしれません。
Chick Corea-Nite Sprite
歌物だけでなくFusionやJazzの世界でもトップを極めたスティーブは、当時のJazz/Fusionシーンを牽引していたチックコリアのレコーディングにも参加しています。
このスピード感と一体感!もはや何もいうことがないですね、、、ハイハットの切れ味が最高に気持ちいい⭐︎
Jun Fukamachi & The NewYork All Stars-Rocks
挙げれば枚挙にいとまがないスティーブガッドの名演ですが、最後に自分のお気に入りの作品を挙げたいと思います!
当時とある雑誌に名演として紹介されていたので、CDを買って聞いて、本当に衝撃を受けました!ドラムという楽器の表現力、かっこよさをこれ以上に感じることのできる作品がいったいどれほどあるだろうか、、リアルタイムで手にした音源ではありませんでしたが、ライブ盤ならではの熱気も相まって中学時代の私が一気にドラムという楽器にのめり込んだきっかけの楽曲です!
スティーブガッド略歴
スティーブガッドは1945年にニューヨーク州ロチェスターの生まれ。
特筆すべき特徴は、本格的なミュージックシーンで活躍する前に三年間United States Army Field Band(演奏を主な活動とするアメリカ陸軍所属の音楽隊)に所属していたことでしょう。ドラムを始めたきっかけとなった叔父が元軍楽隊出会ったこともあり、非常にルーディメンツに精通していることはその後のスティーブのプレイに非常に大きな影響を与えたようです。
経歴
75年にVan McCoy and the Soul City SymphonyとThe Hustleのレコーディングに参加、同年、上記のポールサイモンのレコーディングなどにも参加ウェインショーター、スティーリー・ダン、チックコリアとの演奏など、早くもスタジオミュージシャンとしてトップのキャリアを歩み始める
またスタジオミュージシャン/セッションミュージシャンとして活動する傍ら、クラブ演奏で知り合った仲間と“Stuff”を結成し80年までメンバーとして不定期に活動しており、ここでも数多くの名演を残している。
80年代には「Up Close」や「In Session」などのドラマーに多大な影響を及ぼした教則ビデオをリリース、自身がリーダーであるGaddgangを結成しているのも86年である。
90年代にはポールサイモン、エリッククラプトンのツアーへの参加に加えミシェルペトルチアーニ、アンソニージャクソンとともにジャズトリオのプロジェクトにも参加している。
サウンドの特徴・プレイスタイル
ルーディメンツに対する造詣の深さ、圧倒的な基礎能力に裏打ちされたプレイは非常に正確であり、多くのミュージシャンからナンバーワンの信頼を勝ち得てきた。それだけでなくチューニングや1打1打の発音にこだわりまくったことも彼のドラミングの大きな特徴である。
彼のスネアのサウンドは倍音を極端にカットし中低域が強調されていることが多く、ある意味非常にタイトでシビアなリズムセンスが求められる。このような演奏環境の中で非常に広範なダイナミクスを自在に使い分けており、時には淡々とシンプルに、時には嵐のように叩きまくることもあれば、ラテン系のなまったリズムも説得力を持って叩きこなす。ドラムに対する飽くなき挑戦と、決して楽曲を壊すことのない発音へのこだわり、楽曲全体へのバランス感覚、ミュージシャンシップ。これらが非常に多くのミュージシャン、そして音楽ファンから愛された秘密なのではないだろうか。
まとめ
彼のプレイスタイルを追従するガッドフリークと呼ばれる崇拝者を数多く出現させ、ドラムの神とさえ言われたスティーブガッド、活動は今回紹介した以外にも多岐に渡っており、全てを把握することは非常に困難です。彼がドラム史に残した影響は計り知れなく、あらゆるジャンルのドラミングで彼の影響を無視して今のドラミングを肩たることはできないでしょう。スティーブガッドを聞き研究することは、現在のドラミングを勉強する上でも大変意味のあることは間違いないと思います。
クリニックを見に行った時に彼はこんな言葉で締めくくっていました、「僕でもここまでこれたんだ、君達もきっとできる」
もちろん額面通り受け取るにはあまりに重い言葉ですが、彼が初めから“神”などではなく、努力し、工夫し、コツをつかむことに知能を傾け、壁を乗り越えてきたからこその言葉なのではないでしょうか!
以上!ABCミュージックスクールドラム科講師のTOSSYがお送りしました〜!!