目次
個人レッスンってどんなもの?〜 レッスンとの上手な付き合い方〜
今回はレッスンの講師として活動している経験と、自分自身が過去に多くの年月を生徒としてレッスンを受けていた立場から、私の個人レッスンの重点を置いているポイントと上手な付き合い方について書いてみたいと思います!
レッスンのポイント① “楽しい!” 瞬間に上達する!
約20年間、考えてみれば四半世紀に手が掛かるかという長きにわたって、私はレッスンというものに触れ続けてきました。映画のSessionに出てくるような恐ろしく厳しい先生もいればとても逆に優しく教えてくれる先生もいました。
海外に渡った時は言語の壁にも悩まされたこともありました。また逆に20代からは教えるという立場でも、これまで試行錯誤を重ねてレッスンに携わってきました。
私の場合は専門家を目指して頑張っていたこともあり、壁にぶつかったり悩んだり苦しい時間も多かったのですが、それと同時に忘れがたい楽しい瞬間も同じぐらい経験しました!
自分がどうしても出来ないことをいとも簡単に目の前で見せてくれた時、教えてもらった練習方法で壁を乗り越えることができた時、ボロクソに言われていた先生にほめられた時、少し回想するだけでも色々な出来事が思い出されます。
自分が楽しいと感じた瞬間、その時こそ上達のチャンスだ!というのはそんな経験から導き出されたものです。
そしてそれは自分の気の持ち様で簡単に作り出すことが出来るのです!
個人レッスンで、目の前で先生が他でもないあなたのためだけに見せてくれていること。それを “なるほど” ととるか “すごい!どうなってるんだろう” あるいは “ふーん” と取るかは受け取り方次第と言えるのですね!
ほとんどの先生もまた、この限られた時間の中で何かを掴んで持ち帰って欲しいと試行錯誤をしています。そういう意味で私は、レッスンは先生が単に情報を与えるだけのドライなものではなく、お互いの情報交換の上紡ぎ上げていくストーリーのようなものだと考えています。
以前大阪の実家に置いてあった本を何気なく手にとりました。その本は池谷裕二さんという方が書かれた〈記憶力を強くする〉というタイトルでした。何気なく手に取った本でしたが、非常にやさしい文体で脳科学のメカニズムから物事を記憶していく過程がどういった状況下で最大限の力を発揮するのかとても具体的に書かれていました。
詳しい説明は省くとして、印象に残ったのは部分は楽しんでいる瞬間に記憶が定着しやすいということでした。
ドラムは多くの人にとって楽しみやすく親しみやすい楽器です。管楽器と違って叩けばすぐに音が出るし、何回かレッスンを受ければ大抵の人は8ビートぐらいはすぐ叩けるようになります。
しかし、色んなことを習得してどんどんクオリティを上げていきたいと掘り下げていくと、実は非常に繊細で、時に上手く演奏できない自分自身と向き合わなければならないフラストレーションの溜まる場面が絶対に出て来る楽器でもあります。
そんな時でも焦らずこのポイントって実は楽しいんじゃないかという見方をシェアできればよりクリエイティブに壁を乗り越えていける手助けになると考えています!
そういったことをふまえて、私がレッスンをする時に心がけている1番のポイントは “楽しい” と感じてもらうことです。これはドラムという楽器を好きになってもらいたいという事ももちろんありますが、最大の理由は前述した通り楽しんでいる瞬間が一番記憶=上達する瞬間でもあるからです。
記憶とドラム上達の関係性
普段の生活と同じようにドラムの演奏もまた “記憶” が重要な鍵を握っています。どんなときに良いリズムが刻めているのか、フィルにはどんな種類がありどんな時にどのフィルを使うべきなのか、このようなことは全て記憶と密接に関係しています。
“うまくいった!またこの瞬間を味わいたい” そう思う瞬間=記憶に残る、上達する瞬間を増やしていく事が私が行うレッスンで大事にしているポイントの一つです!
正しい情報を得て自分の上手く行ってない部分を修正する、もっと向上するために先生はどのポイントに重きを置いているかを嗅ぎ分ける、そうして上手くいきだした部分を反復練習して完全に自分のものにしていく=記憶に定着させていく。
これがまさにレッスンのストーリーなのですが、その歩みの中で、テンションが上がる瞬間、楽しい瞬間、はものすごい効果を発揮するのです! “好きこそものの上手なれ” ですね!
レッスンのポイント ②わからないところをはっきり具体的に!
もう一つ大事にしているポイントは、これはレッスンの時間に制限があるという事にも関係があるのですが、一番効率よく上手になってもらうために先ずできるだけ “どんな壁にぶつかっているから●●●が出来ないのか” ということを共有し、そこに具体的な解決策をお伝えするということです。
また、対面のレッスンのメリットはYouTubeやブログなどでなかなか追及できない、個人差のある一番細かい部分(体の動かし方やタイミングなど)の問題点をあぶり出してそこにアドバイスする事であり、またそれが具体的である事だと考えています。
学校の部活の様に毎日お付き合いできれば精神論の部分や練習そのものに立ち会うことができるのですが、限られた時間ではなかなか難しいところがあります。問題点が明確であれば、レッスン時間内に解決できなくても、それに対してできるだけ多くの解決のための情報を持って帰ってもらうことをまさに重要なポイントとして心がけています!
短い時間で超効果的なレッスンを!
ここまでお話ししてきたように、ほんの少し気の持ちようを変えるだけで、ほんの少しの工夫で短い時間のレッスンでも先生と生徒のタッグで最大限の効果を発揮することができます!生徒のみなさんの気持ちやモチベーションを注意深く読み解く、それは先生の責任としておまかせいただいて、どんなことでも遠慮なく質問し、楽しんでもらうことが先ずはレッスンのコツだと思います!
もしなにかでこの記事を見てレッスン受けてみようか迷っている方がいれば、是非体験で良いので足を運んでみてください!きっと新しい扉が開くのではないでしょうか。たった1時間でも新しいことを掴んで帰ってもらえるはずです!
レッスンとの上手な付き合い方
上記のポイントを押さえたうえで、長い間生徒であった経験からレッスンの有効活用のコツは
①レッスンを録音する
②自分の個人練習やバンド練習の音を録音する
③予習&復習をしてわからないところを先生に伝える
です!
もちろん細かくは色々とありますが、自分が出来ていない、乗り超えられていないポイントを客観的に明確にするためにも自分の演奏を録音することは非常に大事です!
それをもってレッスンに持ってきてもらえると最初からピンポイントで解決策を提示できるので時間を有効に使えるというわけですね!
もちろん色々細かなアドバイスや空気感は忘れてしまうことがあるので、レッスン自体を録音する事は復習の上でとても有効であります!
まとめ
もし気持ち的になかなか練習と向かい合えない時期、忙しすぎて練習できない期間があったとしても、それに対してあまり落ち込まないこともまたとても大事ですね!そんなことも含めてコミュニケーションを深めながら長くドラムの楽しさを追求する旅に一緒に出るお手伝いをさせていただいている日々です!
レッスンを経験したことの無い皆さんへ、記事内でもお話ししましたが、動画だけでは理解できない部分から気持ちの部分まで、いろいろなことに直接お答えすることができるのがレッスンの醍醐味です!全くなにもわからない状態だとしても、そこから新しい扉を一緒に開いて行きましょう!
お付き合いありがとうございました!
次回もお楽しみに!!