安いシンバルと高いシンバルは何が違うの?

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安いシンバルと高いシンバルは何が違うの?

片瀬講師
楽器には手頃に買える低価格のものから、10万円前後する高価なモデルも存在します。
シンバルも例外ではなく、初心者の方が買いやすい安価なシリーズから、プロが使うような高価なモデルまで、各メーカーで取り揃えています。

ですが、価格の高いシンバルが一概に「良い」という訳ではなく、安いシンバルにも汎用性があり、演奏する音楽ジャンルに合うことでそのシンバルの味が発揮されるのです。

そこで、今回は価格の安いシンバル、高いシンバルの違いと、シンバルが完成するまでの工程を解説していきます!

 

素材の違い

シンバルは見た目の通り「金属」を円形に加工して作られています。

一声に金属といっても金、銀、銅、鉄、、様々な種類がありますが、シンバルに使われている金属は主に「銅」をメインとした合金です。
とくに価格の安いシンバルでは「黄銅(ブラス)」が使われ、高いシンバルでは「青銅(ブロンズ)」が素材に用いられています!

一般的に楽器屋などで販売されているシンバルは「青銅(ブロンズ)」が多く、ブロンズは「銅と錫(スズ)」を合成して作られています。
各メーカーのカタログを見てみると、様々なページに「B20」という表記が見受けられます。これは銅と錫(スズ)の合金比率を表しており、B20では「銅80%、錫20%」という意味です。

B20の他にもB8(銅92%、錫8%)などのシンバルもありますが、錫(スズ)の割合が多ければ多いほど、高音域〜低音域まで程よく塩梅された音色になり、耳にスッと馴染むような鳴りをしてくれます!

 

形成方法の違い

シンバルの丸い形へ整える形成作業ですが、こちらも形成方法が2通りあります。

1つは「キャストシンバル」と呼ばれ、値段の高いシンバルに用いられる形成方法です!

合金そのものを高音で溶かし、鋳造(ちゅうぞう)するところからスタートする職人技なので、コストもかかることから、シンバルそのものの値段が高くなります。
綿密に作られていることから、音の芯もくっきりしており、中音域、倍音共に申し分なく鳴ってくれます。
素材、工程が同じとはいえ、全く同じ個体は作られず、唯一無二のシンバルになります!

 
また、もう一方は「シートシンバル」と呼ばれ、こちらは値段が比較的安いシンバルの形成方法です。

クッキー作りと同じような手法なのですが、合金の鉄板を決められた形に型抜きして作られるため、揃った個体が出来やすく、非常にコストパフォーマンスも良いことから量産に向いています。

シートシンバルは音色はとにかく明るく、一直線に飛んでいくようなキレの良さが特徴。
有名なシンバルメーカー PAISTE(パイステ)の「2002シリーズ」は、シートシンバル特有の明るさがありながらも、煌びやかで繊細な音色に人気があります!

 

加工方法の違い

シンバルをよく見てみると凹んだ部分が複数見受けられるかと思います。
この凹みは実際にハンマーで打ちつけた跡であり、この加工方法を「ハンマリング」といいます。

シンバルの音色を出すためには、金属を円形に整えて終わりではなく、この「ハンマリング」という工程を経て、均一に音が響くよう調整されています。

値段の高いシンバルにはハンマリングの打跡が数多く見受けられ、緻密に計算されていることから、音に雑味が無く、明るくストレートに鳴り響いてくれます!
逆に、打跡の少ないシンバルは価格が安く、音の響きにバラツキがあり、倍音も少ないことからタイトなサウンドになります。

職人がハンマーを持ち、1打1打打ちつける方法が主流ではありますが、近年ではコンピューターに内蔵されたデータ通りにハンマリングしてくれるシステムも開発されています。

 

まとめ

片瀬講師
今回は値段の安いシンバル、高いシンバルの違いと、シンバルが完成するまでの工程を解説しました!

シンバルが出来上がるまでのコストや、加工方法によってシンバルの値段は決まっていきます。
ですが、序盤に綴った通り、価格の高いシンバルが必ずしも「良い」訳ではなく、比較的安いシンバルでも音に個性があったり、音楽ジャンルによって幅広く使い分けることが出来ます。

勿論、価格の高いシンバルにはメーカーの技術の結晶が詰まっており、安定した音色も兼ね揃えています!
シンバルを選ぶ際は、自分が出したい音を想像しつつ、見た目も気にしながら是非探してみてください♪

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