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水樹奈々さん「PHANTOM MINDS」 大サビ~アウトロドラムレッスン

与野裕史
こんにちは!ABCミュージックスクールドラム科講師の与野裕史です。今回は水樹奈々さんのPHANTOM MINDSという曲の大サビからアウトロにかけてのドラムについて解説して行きます!

PHANTOM MINDS

今回はアニソン界の歌姫といっても過言ではない水樹奈々さんの「PHANTOM MINDS」という曲の大サビからアウトロにかけてのドラムフレーズを解説していきます。
美しく伸びやかな歌声と、その裏でシンコペーションを多用した細かいフレージングで力強さを主張する楽器隊とのアンサンブルが魅力の1つになっている楽曲です。

今回、原曲の打ち込みのドラムを殆ど完コピした形での演奏になっておりますが、生ドラムでの自然なアプローチになるように部分的に修正して演奏していることをご了承下さい!

PHANTOM MINDS ドラムに挑戦!

[フルバージョン]

セクション1
シンコペーションを織り混ぜた2小節フィル

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落ちサビから盛り上がって大サビのアタマで一気に復帰するかと思いきや、一拍分休んでシンバルのアタックで復帰するというアプローチになります。トリッキーな入り方なので、慣れないうちは焦ったりモタったりしやすい為、最初のシンバルのアタックが楽譜で言うところの2拍目になっているということをしっかり意識した上で、テンポ感を損なわずにスムーズにフィルに繋げていけると良いですね。

二小節目からは、シンバルによるシンコペーションの合間に細かい16分音符系フレーズが挟まっており、緩急のついたフレーズになっています。
このフレーズの一番のポイントは、2拍目ウラのシンバルを打った後のスネアのタイミングになります。

楽譜をご覧いただくと分かると思うのですが、スネアが16分ウラで入る形になるので、初めのうちはなかなかタイミングが安定しないと思います。
そういう時は、まず該当のスネアの一打をなくしたパターンで練習してみましょう!そしてシンバルのシンコペーションのタイミングを先に身体に染み込ませましょう。

そこまで出来たら、そのシンコペーションの感覚が変わらないように意識しながら、先程のスネアの一打を挟んでみてください。
要するに、スネアが16分ウラで入るという細かい意識で叩くのではなく、シンバルが8分ウラで入るという大まかな感覚を目安にスネアのタイミングを調整していくというやり方です。

与野裕史
このように、細かいフレージングをまず大きなシンコペーションの流れから捉える方法は、効率良く綺麗に演奏できるようになる為のコツとして幅広く使えますので、是非他の場面でも試してみてください!

セクション2
符点8分を多用したビート

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符点8分音符が手にも足にも用いられているビートになります。
オーソドックスでシンプルなビートではありますが、符点8分音符の音の長さ(どのくらい伸ばすか)が適当にならないよう、集中して取り組んでください!メトロノームアプリなどで16分音符を設定出来るようでしたら、その細かい刻みに重なるよう意識して練習してみましょう。

セクション3
シンバルの4分打ちに16分系フレーズを織り混ぜた一小節フィル

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ギターやベースの4分音符でのアタックにシンバルを力強く合わせ、その間に16分系の細かいフレージングを挟み込むアプローチです。
このフィルも、シンバルが4分音符で等間隔に鳴っている感覚を保ったまま、スネアやタムによる細かいフレーズを入れられると良いですね!

セクション4
手足のコンビネーションフィル

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まず、3小節目3拍目からのスネアとバスによるフレーズに注目してみましょう。スネア2連打とバスで「タタドン」という音形になることをイメージしながら繰り返し練習してください。

続いてポイントとなるのは、4小節目3拍目ウラから登場するタムの32分音符による3連打を含むフィルです。
タムの3連打の後フロアタムに移行しなければならない為、手順としては左手先行が相応しいですね。
このテンポでの32分音符は、たった3連打とはいえかなりハードだと思います。ですので、まずはメトロノームを使ってスローテンポから練習して縦の線を安定させることを目指しましょう。スローテンポで「タムの3連打→フロアタム」の流れを叩いてみると、「タタタンタン」というリズムになっていることが浮き彫りになると思います。そのリズムを意識しつつ、かつ右手で叩くフロアタムがメトロノームの音と重なることを確認できる余裕まで生まれるとベストです!

セクション5
スネア4分打ちにバスが織り混ざる一小節フィル

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セクション3では右手(利き手)によるシンバルの4分打ちをベースにしたフィルをご紹介しましたが、今度は左手によるスネアの4分打ちをベースにしたフィルになります。
左手(利き手ではない方の手)による4分打ちのキープは想像以上に難しいものです。
右手によるシンバルのシンコペーションに惑わされないようしっかり左手に集中しましょう!

セクション6
シンバルチョークを用いたブレイクフレーズ

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シンバルチョークは、クラッシュシンバルを片方の手で叩き、もう片方の指でシンバルを押さえて音をミュートするという方法が一般的ですね。
このフレーズも同様に、右手でシンバルを2回叩いた後に響きを押さえるように左手の指でシンバルチョークをする方法が一番やりやすいかと思います。シンバルチョークする時、姿勢が前のめりになったり、左手のスティックの持ち方を変えなければいけなかったりといったイレギュラーな動作が続く為、リズムがおろそかになりがちです。リズム自体はシンプルですが、しっかり拍を感じてスムーズな動作で出来るようになると良いでしょう!

セクション7
8分ウラシンコペーションの続くリズムパターン&手足のコンビネーションを織り混ぜた二小節フィル

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1~6小節目

本日最後にご紹介するこのセクションの前半では、バスドラによる8分ウラシンコペーションの続くリズムパターンについて解説していきます。ベースメントはセクション2でご紹介したようなリズムなのですが、小節をまたいでバスドラの8分ウラのシンコペーションが続いているのが肝になります。

8分ウラが連続するとついつい速くなりがちなので、右手のハイハットの刻みを一定のスピードで保つことを意識しながら練習してください。バスの8分ウラシンコペーションの前に、右手がスネアに移動したりとイレギュラーな動きもありますので比較的ゆっくりから丁寧な練習を心がけましょう!

7~8小節目

次は7、8小節目に登場する、シンバルによるシンコペーションの中に細かいフレージングが散りばめられているフィルについて解説していきます。エッセンスはセクション1とよく似ていますが、手足のコンビネーションによるフレージングが織り混ぜられていることが一層難易度を高めています。

それではまず、三拍目16分ウラからスネアで入るフレージングについて解説します。
入り方としてはセクション1と全く同じですが、その後間髪入れずタムとバスドラによる手足のコンビネーションフレーズになるという流れですね。
ここでは、バスドラの後に入るスネアがちょうど4拍目アタマになるので、そこをゴールとして見据えた上で「スネア→タム→バス→」のコンビネーションを挟み込むイメージで練習してみてください。

初めからバスを入れるのが難しいと感じたら、セクション1と同じ要領でまずは「スネア→タム→休み」そして4拍目アタマのスネア、という流れで練習してみましょう。

そしてもう1つの手足コンビネーションフレーズが、2小節目3拍目8分ウラから始まる6連符のフレーズになります。
手順としては、左手スタートで「タム→フロアタム」と続いた後すかさず足が入り、4拍目アタマにスネアで着地するという流れになります。

このフレーズもとても難しいので、メトロノームのテンポはかなり遅めで、4分音符ではなく8分音符で鳴らすように設定しましょう。そうすることで、「スタートの左手が8分ウラのクリックと重なり、ゴールのスネアが8分オモテのクリックと重なる」ということを意識しながら練習する事ができます!

まとめ

与野裕史
いかがでしたでしょうか?
速めのテンポで、なおかつシンコペーションが連続する中での細かいフレージングが登場するというかなり難易度の高い楽曲でした。
1、2小節のフレージングの中で、リズム面で意識しなければいけないポイントがとても多く、つい細かい所をおろそかにしてしまいがちになると思います。
ですので、まずは必ずクリックを使って十分過ぎるくらいゆっくりのテンポから練習するように心がけましょう!

以上、ABCドラム教室の与野がお送りしました。また次回!

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