ピアノの楽譜を読もう!9 ~コード – テンション・9th編

目次

ピアノの楽譜を読もう!第9弾 ~コード – テンション・9th編

小倉講師
楽譜の読み方について解説します!
こんにちは!ABCミュージックスクールピアノ科講師の小倉里恵です。

さて、以前から数回に分けてお話ししてきたコードの話、ついにテンションコードのお話へ!本日はその中でも9thについて、お話ししていきます。
和音をとってもわかりやすく、記号に書き表したものがコード!楽しく習得して、コードと仲良くなりましょう!

コード – 基本編はコチラ、基本編②はコチラから

 

テンションコードとは

さてそもそも、テンションコードとは何でしょう?

テンションとは、コード表記の中に9.11.13を含むもので、構成音の高音部に特定の音がくっついているコードのことを言います。

「テンション」というのは「緊張」を意味するんですが、これまで勉強してきた三和音や四和音に比べて、構成音が増えて複雑な響きになることから緊張感を持つコードになります。
これを総称して「テンションコード」と呼んでいます。

 

基本コードのおさらい

まずは前回までのおさらいです!
基本的に三和音のコードは、1度(ルート音)+3度+5度で構成されます。そして、その基本のメジャーコードから、構成音に変化を加えると、コードが以下の様に変わるんでしたね!

・3度を半音下げる⇨マイナー
・5度を半音上げる⇨オーギュメント
・3度を半音上げる⇨サス4

その基本の三和音に7度を加えることで、四和音になりますね。

・7度を加える⇨メジャー7
・7度を半音下げる⇨7th
・6度を加える⇨6
・マイナーコードに7度を加え5度を半音下げる⇨マイナー7(b 5)
・マイナー7(b 5)の7度を半音下げる⇨ディミニッシュ

 

四和音+テンションノート(音)

それではここから四和音、すなわち7th、もしくはメジャー7の付いているコードを基本にテンションコードの話をしていきますね!
テンションというのは、四和音に9度、11度、13度の音を付加した和音のことを言います。

こう見ると、9度は2度と同じ音、11度は4度と同じ音、13度は6度と同じ音なのがわかりますね!

・9度⇨9th(ナインス)
・11度⇨11th(イレブンス)
・13度⇨13th(サーティーンス)

と読みます!
ドからシが7度あるので、それぞれの数字から7を引けば大丈夫!数えるのが大変な時は、2.4.6の音から探すのが楽ちんですよ!

 

9thの基本コード

それでは、まずはシンプルに9度を加えた9thからご説明していきますね!この和音は、J-POPでも本当に良く聴く和音の響きです。

基本的には7thコードに9thを足すと覚えると混乱しません。
なぜなら、メジャー7に足す時はメジャー、とはっきり明記しますが、7thの時は7の表記を省略されてしまうことがよくあるからです。

 

add9

逆に7thを伴わなず、9thの音だけ響きに加えたい時に使用するコードがあります。

add、は「加える」という意味で、コードに9thを加えて、という指示になります!「アドナインス」と読みますので覚えておくと便利ですよ(^^)

 

9thに♭、♯もOK!

次回以降でまたご説明していきますが、なんと11thには♭が、13thには♯が存在しません!!
なぜかと言うと、11thは4度と同じ音なので、半音下げて♭すると3度の音と全く同じになりますね。13thは6度と同じ音なので、半音上げて♯すると7thと同じになってしまいます。

テンションとは、緊張感のあるコードでしたね!3度も7thも、基本四和音の構成音なので、それをテンションコードとは呼ばないわけです。

その点!唯一無二⭐︎!9thにのみ、♭も♯も付けることができるんです!!(基本的にはV度7の時のみ)

ただし2つだけ注意があります!

♯9thは、3度の半音下になります。すなわちマイナーコードの時の3音と同じ音になりますね。
ですので、マイナー♯9thというコードは存在しないということ。
あと、もう一つ…基本のメジャーコードに♯9thを弾く時、3度と♯9thが半音でぶつかります。ですので演奏する時には、その2音を極力離した配置で弾いた方が良いということ。

ちなみに音符を弾く時に配置を決めることを、ボイシングを決める、と言います。ボイシングについては、いずれご紹介していきますが、

このような響きにした方が、スッキリ美しく聴こえますよね!

 

まとめ

小倉講師
今回のブログをまとめると、

1. テンションコードとは、緊張感のある9th、11th、13thのいずれかを四和音に加えたコードのこと!
 
2. 基本は7thにテンションを足したもの、と覚えましょう。それ以外のコードには、はっきり明記されます!
 
3. 7thを伴わない9thコードはadd9、madd9で表します
 
4. 9thにのみ!♭と♯が使えます

コードについては今後も何回かに分けて更新していくので、何度か読み返しながら、まずは今日の記事の内容をふんわりとでも把握してもらえると、次からの話がスムーズかなと思います!全部は理解できなくても、知識が増えるとある日ストンと腑に落ちつつ、コードって覚えていくものだから、心配しないでくださいな(^^)

それでは次回のブログでお会いしましょう!
ABCミュージックスクールピアノ科講師の小倉里恵がお送りしました。

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