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スラー&タイってなに?特徴を覚えてピアノの練習に備えよう!第6弾
楽譜を見てみよう
紅蓮華 (アニメ「鬼滅の刃」より)
冒頭部分ですが、ピンクで囲っている箇所が「タイ」です。
エルメンライヒ:紡ぎ歌
こちらも冒頭部分ですが、ピンクで囲っている箇所が「タイ」、水色で囲っている箇所が「スラー」です。
スラーもタイもどちらも弧状の線ですが、弾き方は全く違う記号です。
どのように弾くものなのか、見ていきましょう!
スラー
「スラー」は高さの異なるいくつかの音を弧状の線で結んだ記号のことです。
英語で「slur」の元々の意味は「はっきりせずに言う」「(文字など)を続けて書く」「気づかぬふりをする」などの意味があります。
音楽的な意味としては、スラーでくくられている間の音はつなげてなめらかに奏します。
ピアノで弾く方法を言葉ではなかなか表しづらいですが、
歌ですとブレス無しに一息で歌うように、
トランペットやフルートなどの管楽器ですとタンギングせずに演奏します。
例えば「かたつむり」を歌うとき、
でっんっでっんっむっしっむっしっかったっつっむっりっ
とは歌わないはずです。
で~んで~んむ~しむ~しか~たつ~むり~
と一息に歌うはずですよね。
それと同じで、ピアノで弾くときもスラーで囲われている部分はまとまりをもってなめらかに弾くといいと思います。
では先程の楽譜をみてみましょう。
水色で囲われている「ラシドレド」は
少し強引ですが「ラ・シ・ド・レ・ド」と1音1音はっきり弾くのではなく、
このようにまとまりを持って弾くとスラーらしい弾き方になるのではないでしょうか。
また、スラーは短い場合も長い場合もあります。
例えば短いスラーではブルグミュラーの「優しい花」を見てみましょう。
1小節目は、8分音符2つ分ずつでスラーがかかっています。
ということは、2つ分ずつでまとまって弾く、ということになります。
もう一方の長いスラーの方は、何小節にも渡ってかかれていることもあります。
「紅蓮華」の楽譜に歌詞に合わせてスラーを書いてみましたが、この様な長いスラーの場合、意識してまとまって弾くというのはなかなか難しいことなんですよ!
演奏する楽器はもちろんピアノですが、スラーの間はずっと弾いている音を歌うか息を吐き続けてみましょう。もちろん息継ぎ無しですよ!
タイ
「タイ」は2つの同じ高さの音を弧状の線で結んだ記号のことです。
英語で「tie」の元々の意味は「結ぶ」「拘束する」などの意味があります。ネクタイの「タイ」ですね。
音楽的な意味としては、結ばれている音は一つの音符のようにつなげて奏します。
こちらのピンクで囲われている所が全てタイです。
隣り合っている同じ高さの音が結ばれていれば、弾きなおさず矢印のように一つの音符としてつなげて演奏します。
もちろん小節をまたいでいても有効です。
2段目の「シ」は4小節に渡ってタイでつながっていますので、「4分音符16個分つなげて弾く」が正解です!
下の楽譜は上と同じ楽譜の2段目ですが、もし緑と赤で囲われているようになっていた場合は、こちらはタイでなく「スラー」です。(赤のようになっていることはあまりないとは思いますが…)
隣り合った2つの音を結んでいなければタイとはいえません。
隣り合っていること!これがタイの条件です!!
また、こちらの楽譜のピンクの部分ももちろんタイです。
和音ではタイにする音一つ一つに記号をつけていないとタイになりません。
同じ曲ですが、この赤で囲われているようになってしまうと、和音2つともタイということにはなりませんので、ご注意くださいね!
それと、タイの問題で質問されることが多い曲をご紹介します。
こちらはシューマンの「トロイメライ」(《子供の情景》より)です。
ピアノは右・左2本の腕で音を出しますが、さらに片方の手で2声部以上に分かれて弾かれることもあります。
声部分けをするとこのようになります。
それぞれ別の声部、合唱に例えると上がソプラノ、下がアルトだと思っていただけるといいと思います。
それぞれ声部のフレーズになりますので、
ピンクで囲われた弧状の線で結ばれている音は、上下に別の声部の音がありますが「タイ」として扱い、弾きなおさずつなげて奏することが正解です!
まとめ
他にも楽譜上によく出てくる記号がたくさんありますので、少しずつご紹介していきたいと思います。
最後まで読んでいただきましたら、是非お手持ちの楽譜を見てみてくださいね!
記号の意味をきちんと理解して楽譜を読むとまた新たな発見があるかもしれませんよ☆
それではまた次回お会いしましょう!!
今回はアーティキュレーション記号の中から楽譜に書かれていることが多いスラーとタイについてお話ししていきます。
似たような記号ですが、演奏する時には全く違う弾き方をしますよ!
今回はスラーとタイの理解を深めてみましょう!