スタッカートってなに?特徴を覚えてピアノの練習に備えよう!7

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スタッカートってなに?特徴を覚えてピアノの練習に備えよう!第7弾

梶田講師
こんにちは!ABCミュージックスクールピアノ教室科講師の梶田です。
今回はよく出てくるアーティキュレーション記号の一つ、スタッカートについてお話ししていきます。

なんとな~くは弾き方を知っている、という方がほとんどかと思います。ただ、スタッカートの弾き方は一つではないんですよ!
今回はスタッカートの理解を深めてみましょう!

 

楽譜を見てみよう


この楽譜の音符の全てについている点のような記号が「スタッカート」です。


「スタッカート」はこの様に点のような記号で表します。
記号は符頭 (音符の丸の方) に原則的には付きますが、稀に符幹 (音符の棒の方) につくこともありますので、下の画像のどちらも間違いではありません!

皆さんはこちらの記号がついた音符をどの様に弾いていますか?
先ずは「スタッカート」にどんな意味があるのか見ていきましょう。

 

スタッカートとは

「スタッカート (staccato)」とは本来イタリア語では「はがれた」「分離した」「ばらばらになった」という意味です。

楽語辞典等には『音を短く切って』、『音を切り離して』等と説明されています。

ただ元々の意味には「切る」という言葉は出てきません。
よくスタッカートが出てくると「はねるように奏する」と思っている方も多いように思いますが、「はねる」のでもなく「切る」のでもなく、
音と音を「離す」または「ばらばらにする」のです。

もちろん「はねるように」短く演奏することもありますが、スタッカートの弾き方は一種類ではないのです!

 

どんな弾き方をするといい?

スタッカートが楽譜に出てきたら、どんな弾き方をしたらよいか弾く前に考えてみましょう。

もちろんスタッカートが付いている場合は、レガート (なめらかに奏する) の様に音と音をつなげて弾くのではなく、音と音を分けて弾く必要があります。

文字で書くとすると、
ド~レ~ミ~ファ~ソ~ラ~シ~ド
ではなく、
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | ド
と弾かなくてはいけないのは共通です。

 
スタッカートはつけていませんが、ご存じ「きらきら星」です。

 
こちらをスタッカートにして弾いてみましょう!

全ての音にスタッカートがありますので、一つ一つ音を離して弾いてみましょう。
下の音源は3種類ありますが、どれもスタッカートで弾いていることに間違いはありません。

音源①:だいぶ短めのスタッカートになっています

音源②:大体半分くらいの音価 (8分音符分くらい) になっています

音源③:少しわかりづらいかもしれませんが、②より少し長めになっています

どうでしょう?皆さんはどうやって弾くのがお好みですか??

私はもし自分で弾くとすると、個人的には③が好みです。
①のようにはねたような短すぎるスタッカートでなくてもいいと思います。
③のようにやわらかいタッチで一つ一つバラバラにして弾いてみると、スラーで弾いたものより軽く、可愛らしい感じに聞こえるのではないでしょうか。
手首や腕をやわらかくして弾くと、やわらかい音色のスタッカートが出せると思いますよ。

 
次にブルグミュラー作曲の《25の練習曲》より「バラード」を見てみましょう。

こちらの楽譜のスタッカートであれば、短く・鋭く・緊張感を持って弾くと曲の雰囲気にピッタリだと思います。

弾くときのコツは指先を固くして、熱いものを触った時の様にパッと鍵盤を離すように弾くといいかと思います。


下の音源はスタッカートを上の音源より長めにしてみました。こちらの方が上のものよりも緊張感が薄くなるのが分かりますでしょうか?

 
次の楽譜はチャイコフスキー作曲の《くるみ割り人形》から「金平糖の精の踊り」です。
このスタッカートは指先で弾くように細かいタッチで弾くといいのではないでしょうか。


下の音源は少し長めのスタッカートにしてみましたが、こちらですとちょっと重たく感じてしまいますよね。
 
やはり最初の音源の方が軽やかで、妖精が踊っているような雰囲気になるのではないでしょうか?

 
例えば4分音符であれば8分音符くらいで弾くなど、スタッカートがついていると半分の音価にする、と捉えている方もいるように思いますが、是非曲に合わせてスタッカートの弾き方を変えてみましょう!
色んな弾き方ができると思いますよ!!

 

スタッカーティシモとは

スタッカートにはもう一つ「スタッカーティシモ」という記号もあり、「マルテラート」とも呼ばれます。

こちらが「スタッカーティシモ」です。
記号がチョンと短い楔形の記号があるだけなので、見落としてしまう場合や、

こちらの「アクセント」記号の一つと間違えてしまうこともありますので注意しましょう!

 
「staccatissimo」の「-issimo」には形容詞の絶対最上級を表します。日本語で表すと「最も」「きわめて」といった感じでしょうか。
日本語にすると難しいのですが、「スタッカート」よりも意味合いを濃くとらえるといいと思います。(音と音をきわめて離して…なんて日本語は難しいですね)

また、「マルテラート (martellato)」は「ハンマーで打たれた」という意味があります。
ヴァイオリンなどの弦楽器ではスピカート奏法といって、弓を叩くように弾ませて奏します。

そう考えますと、「ハンマーで打たれたように力強く音を離す」「とてもはっきりと音を離す」の方が近いのかもしれません。
そちらの方が分かりやすく感じるのではないでしょうか。

 
こちらはショパン作曲の「華麗なる大円舞曲 Op.18」です。

何と、8小節の間にスタッカート、スタッカーティシモ、アクセントとたくさんのアーティキュレーション記号があります。アクセントも2種類ありますが、こちらはまたの機会に説明させていただきます!

スタッカートはあまり短すぎず、スタッカーティシモはスタッカートよりもはっきりくっきり弾くといいのではないかと思います。

 
これらの記号を全て表現するのは至難の業ですが、何となくにしてしまっている記号を一つでもなくしていきましょう!
スタッカーティシモが出てくる曲はなかなかないのですが、是非覚えておいてくださいね!

 

まとめ

梶田講師
今回はスタッカートを説明しましたが、理解は深まりましたでしょうか?
是非お手持ちの楽譜を見てみてくださいね。
曲に合わせてスタッカートの弾き方は変えてみましょう!

記号の意味をきちんと理解して楽譜を読むとまた新たな発見があるかもしれませんよ!
それではまた次回お会いしましょう!!

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