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ペダルってなに?その1 特徴を覚えてピアノの練習に備えよう!第12弾
3本のペダル
電子ピアノの場合は1本しかないこともありますが、今回は生ピアノを想定してお話ししたいと思います。写真のペダルはグランドピアノのペダルです。
ピアノによっては2本だったり3本だったりするペダルですが、どの楽器も一番右側と一番左側のペダルはそれぞれ同じ機能を持っています。3本ある場合の真ん中のペダルはグランドピアノとアップライトピアノで機能が異なりますので、こちらの違いもお話ししていきたいと思います。
先ずは3本のペダルに共通するペダルの踏み方を確認したいと思います!踏み方はどのペダルを踏むときも同じです!
車のアクセルやブレーキを踏むときとは異なり、かかとは床につけましょう。そしてペダルは足の指で踏むと少々不安定になりますので、指よりも下の骨の固いところで踏むと安定感があって良いように思います。
「かかとはつける!」これだけは覚えておきましょう!!
因みに右側のペダルは「右足」で、左側のペダルは「左足」で踏むのが基本です。
では早速右側のペダルからお話ししていきます!
右側のペダル:ダンパーペダル
使われる頻度の高い一番右のペダルは「ダンパーペダル、サスティニングペダル、ラウドペダル、フォルテペダル」と呼ばれています。私はダンパーペダルということが多いので、今回はダンパーペダルで統一したいと思います。
この「ダンパーペダル」、どんな効果があるかは皆さんご存知かと思います。踏むと音が響きますよね。
何故音が響くのかというと、名前にもなっている「ダンパー」が重要になります。「ダンパー」がピアノのどの部分にあたるのかご存じでしょうか?
是非ピアノの中身が見えたら確認して欲しいのですが、画像の黒いものが「ダンパー」です。少し見づらいですが、ダンパーの下の弦の下に見える白いものは「ハンマー」です。
この「ダンパー」が普段どんな役割をしているかというと、
鍵盤を押す→「ハンマー」が上がって「弦」をたたいて音が鳴る&「ダンパー」が上がる
鍵盤を戻す→「ハンマー」が下がる&「ダンパー」が下がって「弦」の振動を抑える(鳴らなくなる)
というように、
弦の振動を止めることに重要な役割をはたしているのが「ダンパー」です。ダンパーがなかったら、弦の振動が止まるまでずっと音が鳴りっぱなしになってしまうのです。
この「ダンパー」を全音域全て外したままにしてしまうのが「ダンパーペダル」です。右側のペダルを踏むと「ダンパー」が全て弦に触れない位置に上がったままになるかと思います。
画像は少々分かりづらいかもしれませんが、弦に触れない位置に上がっているのが分かりますでしょうか。
「ダンパーペダル」を踏んだまま音を鳴らすと、弦のストッパーがなくなってしまいますので、ペダルを戻さない限り響いて聞こえるわけです。踏んだまま色々な音を弾いてしまい、濁って汚い響きになってしまった、なんていうのも皆さんきっと経験されていることと思います。
記号を見てみよう
ダンパーペダルの記号は数種類あります。
どれもダンパーペダルについての記号です。一番上の記号が一番目にするものかと思います。
それでは先に一番下の文字の表記からお話ししていきたいと思います。
「con pedal」は「ペダルを用いて」という意味です。
あまり出てくることはありませんが、「ダンパーペダル」を使用して欲しい場合や、その前に書かれている同じフレーズのペダリングと同じなので細かいペダルの記号を省略する場合などで書かれていることがあります。
もちろん踏みっぱなしにするのではなく、適宜踏み変えは必要です。セットで書かれる「senza pedal」は「ペダルなしで」という意味になりますので、これが書いてあったらそこからは「ダンパーペダル」を踏まずに弾きましょう!
稀に「ダンパーペダル」を踏んで弾いて欲しくない場合にも書かれていることがあります。あまり出てくることはない記号ですが、こんな記号もあるんだなぁ~と頭の片隅に置いておいてください!
折角ですので、上の二つは楽譜と一緒に見ていきたいと思います。
【ブルグミュラー:天使の声】
こちらは作曲家のブルグミュラー自身が書いたペダリングではないと思いますが、某出版社を参考にさせていただいております。
下に書かれている線が「ダンパーペダル」を踏む・戻すを表しています。ペダルを使うことをはじめたばかりの初心者の方にはとても分かりやすいかと思います。
下の楽譜の記号の方が一般的に見慣れている記号かと思います。
【ベートーヴェン:エリーゼのために】
踏む・戻す場所もきっとご存知なのではないでしょうか。
下の楽譜は記号の紹介のところには入れていない、おまけの手書きのペダル記号です。もしかすると習っている先生に書いていただいたり、ご自身で書き入れたりすることもあるかもしれませんので、一応ご紹介しておきます。
単純な記号ですが、分かりやすいですよね。「P」が「ペダルを踏む」、「☓」が「ペダルを戻す」です。
どの記号でも「戻す」指示がある場合は踏みっぱなしにはせず、必ず踏み変えましょう。ずっと踏みっぱなしですと、音が濁っていい効果にはなりませんので、ご注意くださいね!
しっかり上まで戻さないと音が濁る原因にもなりますので、こちらもご注意ください!!
実はレベルの高い曲になっていくほど、ダンパーペダルは自己判断になります。
そうです!書いていない箇所も踏むのです。
書いていないからペダルを踏まなくてもいい、というわけではなくなる曲が多くあります。もちろん作曲者が意図的に書いてある箇所もありますし、出版社によっては親切な編集者の方が全てのペダルを書いてくれている場合もあります。
折角ピアノについている機能ですので、自分の耳を頼りに是非踏んでみてください!濁る前に踏み変えることもお忘れなく!!
ダンパーペダルを踏んでみよう
「ダンパーペダル」を上手に使うコツが実はあります。「後踏み」といわれていますが、聞いたことはありますでしょうか?
「後踏み」というくらいですから、「後」に踏むということです。もちろん書いてある箇所から踏むこともありますが、実は楽譜でペダルの記号が書いてある箇所丁度から踏むことは少ないのです。
記号の書いてある箇所の音符を弾いてすぐに踏みます。タイミングが手と足でずれますので、慣れるまでは大変かもしれません。
ではなぜ「後踏み」がいいのかというと、特に踏み変えの多い曲では踏み変える箇所の前と後とのつながりが良くなるからです。
「後踏み」にすると、踏み変える前の音を踏み変えた後の音までしっかり響かせることができます。なかなか難しいと思いますので、下の楽譜のような簡単な和音で練習してみるといいと思いますよ!
踏み変える時には足をペダルから離さないことにも注意しましょう!直ぐに踏み変えますので、ペダルから足が離れてしまうと素早い対応ができませんし、バタバタしているように見えて、見栄えも少々悪いかもしれません…。
ただしっかり戻さないと踏みっぱなしということになり、音が濁る原因になってしまいます。また、踏み変え箇所丁度でペダルを踏み変えてしまうと、和音の前後にプツッと間が空いて聞こえます。先ずはゆっくりから「後踏み」に是非チャレンジしてみてください!
和音を弾く→ペダルを素早く踏む→次の和音を弾くと同時にペダルを戻す→ペダルを素早く踏む
を繰り返します。
和音を弾いてペダルを踏むと音は響きますが、次の和音に移るまで鍵盤から手を離さないでくださいね!
それと、ペダルを踏む深さについてですが、踏み変えが多い場合は「半分」くらいで十分です。和音を「ジャーン」と響かせて大きく鳴らしたりする場合は一番下まで踏むと効果的ですが、それ以外は半分くらい踏めば十分かと思います。
何せ「ダンパーペダル」は踏み変えなくてはいけませんので、踏み変えやすい工夫も大事かと思います。
《良い例》
後踏みをしっかりしているので、和音間のつながりがスムーズ
《悪い例》
和音を弾くと同時にペダルを踏み、鍵盤から指を離すと同時にペダルを戻しているので和音間に隙間ができている
よく大人の生徒さんで「ダンパーペダル」は使ってみたいけど、どこに使ってみたらいいか分からない、私に使えるのか心配、といったお話を聞くことが多いです。
その場合は、是非最後の和音だけでも踏んでみてください。最後の和音を響かせて終わるだけでもちょっと楽しい気分になりますよ!もしくはレッスンを受けているようでしたら、是非積極的に先生にお願いしてペダルを踏んでいい所を書いてもらいましょう!
折角ついている機能ですので、ぜひぜひ積極的に使ってみてくださいね☆
まとめ
「ダンパーペダル」は踏むとステキな効果が生まれますが、踏みっぱなしは良くないので、ご自身の耳でしっかり聞いて判断して踏み変えてくださいね!
手と足のタイミングの違う「後踏み」は難しいかと思いますが、是非試してもらいたいと思います!使うことに躊躇される方も多いですが、是非「ダンパーペダル」にチャレンジしてみてください☆
それでは次回は残りの左側と真ん中のペダルについてお話ししたいと思います!お楽しみに♪
今回はピアノの「ペダル」について2回に分けてお話ししていきたいと思います。
ピアノという楽器には足元にペダルがついていることは皆さんご存知ですよね?大体2本か3本ありますが、きっと一番右側のペダルは使ったことがあるけれど他のペダルはあまり使ったことがないかも、という方が多いかと思います。
このペダルそれぞれがどんな機能を持っているか知っていますか?また、ペダルを踏むとどうなって音が変わるのか知っていますか?
3本のペダルの機能や踏み方をお話ししていきたいと思いますので、楽譜の理解をさらに深めてみましょう!