ピアノの楽譜を読もう!3 ~拍子とは

目次

ピアノの楽譜を読もう!第三弾 拍子とは

小倉講師
こんにちは!ABCミュージックスクールピアノ科講師の小倉里恵です。
楽譜の読み方について解説しています!

今回は楽譜の読み方の中でも、拍子について解説していきますよ〜!!

それではいきましょう!

 

拍子とは

前回ご説明した、音符の長さの種類はマスターしましたか??

拍子とは、その様々な長さの音符、もしくは休符が、小節にいくつずつ入るのかを、明確に数字で表したものです。

心拍のように、一定の間隔でリズムを刻む音を『拍』といいます。
ポップスでは『ビート』とも呼びますので覚えておいてください。

 
・4分音符が、1つの小節の中に4つ、4拍分入るから、
4分の4拍子(よんぶんのよんと読み、4拍子と略す事が多い)
4分の4拍子はCとも表記します。

・4分音符が、1つの小節の中に3つ、3拍分入るから、
4分の3拍子(よんぶんのさんと読み、3拍子と略す事が多い)

・8分音符が、1つの小節の中に6つ、6拍分入るから、
8分の6拍子(はちぶんのろくと読むが、6拍子とは言わない。)

拍子記号は、何音符、を下に数字で書きます。
それが1小節にいくつ入るかを、上に数字で書いてあります。

この拍子の中に、どれだけの種類の長さの音符が入っていても、かならずその1小節の中には、その拍子分しか容量がありませんよ!!ということです。

前回ご説明した、りんごの絵を使いますね。
1小節を1つの箱として、
4分の4を例にとってみます。

4分の4ならば、4分音符、いわゆるりんご丸々1つが4つ入りますよね。
どれだけりんごを半分にしても(8分音符)4分の1にしても(16分音符)にしても、りんご4つ分しか入りませんよ!という考え方です。

逆に長い音符も、1つの箱にはりんご4つしか入らないので、
1番長い音符も4拍分、いわゆる全音符までしか入らない、ということになりますね。

4分の3ならばりんご3個、
8分の6ならばりんご半分が6個、となります。


休符が入ってもその箱の大きさは変わらないので、注意しましょう。

さて、これが実際の音楽になるとどうなるでしょう。

 

拍子による変化

4分の4拍子、4分の2拍子、2分の2拍子

4拍子は、マーチや、ロック、ジャズやポップスでも、一般的に1番よく使われる拍子です。

行進曲のような元気なものからバラードまで、幅広く耳にする拍子ですね。

4拍子や2拍子はジャンルによって、拍の強い場所が変化します。
行進曲を始め、クラシックや日本民謡では

4拍それぞれに、強弱強弱
2拍それぞれに、強弱

とニュアンスが付くことが多いです。

4拍子のテンポの速い曲では強弱弱弱なこともありますが、基本小節の頭に強、がやってくるのが特徴です。

一方ジャズやポップスの一部のジャンルでは、
弱強弱強
とニュアンスが付く事が多いです。
これを裏拍を感じる、と表現したりします。

ちなみに!余談ですが、祭り囃子や日本民謡、行進曲に慣れている我々はこの裏拍がめっぽう苦手なんです!!!
クラシック畑で育った私、盆踊り大好きだった私、ほんっとーーーーに!
苦労したんです…裏拍ーー!!!( ; ; )

色々試しましたが、1番楽でやりやすかったコツを1つご紹介しますね!!

 

裏拍の感じ方

裏拍の克服には、裏拍を感じる癖を付けるのが近道なんです。

駅まで歩く、その自分の足音の右足だけ、左足だけ、をそれぞれ強い拍だと意識してみる。
慣れて来たら、左右の足音のちょうど真ん中に、頭の中で(ッタッタッタッタ)と強い拍を唱えてみる。

それに慣れてしまえばもうこっちのものです!!
裏拍はもう怖くない!…はず!

前に感じる、後ろに感じる、などニュアンスがあり、それはジャンルや曲のテンポ、都度バンドメンバーの好みなどによって変わりますが、コツさえ覚えておけば、その脳内(ッタッタ)を前に後ろに調整して、その感じ方に慣れてしまえば、どちらにも対応できますよね!

ぜひお困りの方は試してみてくださいな(^^)

 

4分の3拍子

3拍子は、ワルツに代表される拍子で、優雅さやノスタルジックな雰囲気を持つ曲に多く使用されています。
また、ジャズワルツなどでも耳にしますので、そんなに構えなくてもきっとどこかで耳にしているはず!

日本の古くからの曲や童謡にも、3拍子の曲は数多くあり、ぞうさんや、ふるさと、赤とんぼは有名ですね。
ワルツとはまた違いますが、ノスタルジックな音楽で4拍子とはまた違った魅力のある曲です。

さて、4拍子や、2拍子のように、割り切れる数字は、ライブなんかでも手拍子しやすいし、行進もしやすいですよね。
両足で歩く、息を吸う、と吐く、鼓動のドックン!という音などでもわかるように、生き物の基本的な行動って左右対称だったり、対になっていたり、偶数で成り立ってるものが多いように思います。
世の中が4拍子の曲に溢れ、聴くと安心するのはそういう本能的な部分に由来するのでは、という説もあるくらいです。

一方、3拍子の3って奇数で、割り切れない数字ですよね。
これは、なぜ生まれたのか考えてみると、人間に回転する、という概念が生まれたからなのでは、と思います。

3拍子は、前にも書いたようにワルツ、と呼ばれるジャンルに代表されます。
ワルツを日本語にすると、円舞曲。

読んで字の如く、クルクル回って踊る、ということですよね。
皆さん今部屋にお1人ならば、試しにその場でクルッと回ってみてくださいな(^^)

1でグッと回る方向に足を踏込み、
2でクルッと回り、
3で戻ってきませんか?

これがワルツです!!3拍子の基本の動きなんです!!!

決して三角形ではなく、回るための拍子。
だから、3拍のニュアンスは
強弱弱
になるんです。

そして、回るという話からも分かるように、
3拍子は4拍子や2拍子とは性格がまるで違って、はっきりと三等分したビート(拍)を持つ拍子ではない、ということになります。

それ故に、3拍子は円そのもの、と表現される事が多く、
1でブンっと振り下ろしたら
2、3で大きく弧を描いて元に戻る、と表現されることが多いです。

これをわかりやすく、
3拍子は『ぶん!ちゃっ!ちゃっ!』と数えますので、覚えておいてくださいね。

空中に3拍使って、ぶん!ちゃっ!ちゃっ!と言いながら大きく円を描いてみましょう。
これをまず体に入れてしまうのが、3拍子マスターへの近道です!!!

 

8分の6拍子

これは、3つの8分で1拍、それが2拍集まって8分の6拍子、と考えます。
なので、3拍子が2つあると言うより、2拍子のような感じ方をするのが特徴です。

なので、細かくぶん!ちゃっ!ちゃっ!×2
ではなく、タン、タンと数えます。
タン!の中に8分音符がタタタタタタと入り、
強弱弱強弱弱
となります。


この2曲目の楽譜はMr.ChildrenのNOT FOUNDのサビなのですが、もしも8分の6拍子ではなく、4分の3拍子だとしたら、こんな風に原曲のような壮大な感じが失われて突然せせこましいメロディに見えてくるから不思議です。


8分の6拍子というのは、2拍子の中にずっと3連符がいるのと同じなのですが、3連符のオンパレード、というのは、なかなかに演奏が難しいんですー!!!^^;

ずーっと4分音符を三等分しながら弾き続けるわけですからね…!
それにとにかく見辛い!!

そんな時、この8分の6拍子が生きてくる!!
2拍子の拍の流れは感じつつ、8分音符を演奏すれば気持ち良く、音楽が流れてくれるんですね。

ちなみにこの8分の6が8分の9になれば3拍子で数えますし、8分の12になれば4拍子で数えます!

懐かしの某芸人のように、アホになるわけではありませんが、3の倍数の時だけ、ね!
というのも、この世には変拍子とよばれるものも存在し、8分の5拍子、4分の7拍子など、とにかく拍子ってたくさんあるんです。
8分音符を基にした拍子全てが3の倍数ばかりではないので、ご注意を!!

変拍子は、クラシックや現代音楽にも多いですが、プログレというジャンルや、最近ではアニソン、ポップスなどでも意外と使われているので、探してみるのも面白いかもしれません!
どんな複雑な拍子であっても、1小節に何音符がいくつ入る!という基本的な考え方は絶対に変わらないので、安心して数えてみてくださいね。

さあ、ここまでマスターできたら、基本的な拍子の考え方と捉え方はバッチリです!

 

まとめ

小倉講師
今回のブログをまとめると、

1. 拍子とは、1小節に何音符がいくつ入るか、それを数字でわかりやすく表したものです。
2. まずは4・2拍子、3拍子、8分の6拍子、色々な曲を聴いてみてください。
そして、それぞれの色、雰囲気に慣れましょう。

の2点!

楽譜を見たら、まず1番最初に書かれた拍子を確認してみてください!
1小節の箱の中に音符がいくつ入る曲なのか、ということはどんな雰囲気の曲なのかを想像してから楽譜を読み始めると、これまでよりちょっとスムーズに楽譜が読めると思いますよ!

それでは次回のブログでお会いしましょう!ABCミュージックスクールピアノ科講師の小倉里恵がお送りしました。

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