鍵盤初心者がコードを打ち込む時の10のルール(後編)

2019.12.14

ちょっとした工夫でベタ打ちから脱却してみよう

緒方講師
こんにちは、ABCミュージックスクールDTM講師の緒方です。

鍵盤初心者がコードを打ち込むときの10のルール(前編)では、基本的な事をお伝えさせて頂きましたが、ここからはちょっとした応用編です。

ご自身のアレンジのお役に立つと思いますので最後までお読み頂けたら嬉しいです。

ルール⑥ベロシティを知って、トップノートを目立たせよう!

ベロシティという言葉をご存じでしょうか?これはもともとは「早さ」という意味なんですが、MIDIをいじるに当たっては音の大きさを決める値になります。

※シンセが出来たばかりの時代に鍵盤を弾く「早さ」で音の大きさを決めていた関係でこう呼ばれるようになりました。

コード進行を打ち込んでみましょう。今回はC→Am→Dm→Gです。前回も紹介した一つの音をどんどんコピーして行くやり方で打ち込んでいきます。
12_Velocity01
せっかく前回ボイシングを整える方法もお教えしたので軽くボイシングも整えてみました。
しかしこれだと鳴っている音の強さが同じすぎてしまい、機械が弾いているように聞こえてしまいます。

ランダマイズ機能を使ってみよう

ここで役に立つのがランダマイズ機能です。Logicには「MIDIトランスフォーム」の「ベロシティのランダム化」という機能で最小値と最大値を設定するとその中でランダムに音の大きさが変わります。上手いんだけど上手すぎず、より自然に聞こえる技になります。

さらにここでひとつトップノートだけを選択してみてほんの少しだけベロシティを上げてみましょう。下の和音との差は15~30ぐらいで大丈夫です。実は鍵盤奏者はこうやってトップノートを少しだけ強く弾く事でシンガーが歌いやすいようにしているのです。鍵盤を入力する際に少しだけトップノートを意識するだけで響きが変わってくるので試してみてください。

ルール⑦刻もう!

さてここでリズムを刻んでみましょう!はさみツールを使って切りたい和音を全部選択します。

2分音符に分ける

作業の流れを見てみてください。
17_Cut

4分音符に分けるとこのように

18_Cut2

8分音符に分けるとこのように

19_Cut3

短くする
あらかじめ8分音符で作った味気ないデータでしたが、長さを変えてみる事で和音のノリが変わってくるのが分かると思います。
短くすると言っても細かく変えるとまたそれぞれ違いますよね。
変更後1と変更後2の違いを聞いてみてください。

混ぜてみる
付点四分音符+8分音符+2分音符全部乗せバージョンです。
音符も短くしたりするとまた印象も変わりますね。

ルール⑧食おう!!

先ほど切った和音のリズムをちょっと前倒しにならしてみるとちょっとノリが変わって来ます。よく会話でも「食い気味に」といいますが、音楽でもリズム的に「食う」と呼びます。

音楽用語では、小節内での食いをシンコペーション、小節をまたいだ食いをアンティシペーションとそれぞれ用語を分けています。
8分のシンコペーション
16分のシンコペーション

小節をまたいでアンティシペーションしてみると、つなげた前のコードと後ろのコードが一つのグループの様な感じになります。グループを作ると作るメロディも変わってくるので色々試してみましょう!

8分のアンティシペーション
16分のアンティシペーション

ここで最近大人気グループ「Official男髭dism/ノーダウト」の鍵盤の刻みを聞いてみてください。
0:17からのリズムを4小節だけお借りして先ほどから使用しているコード進行に当てはめてみましょう。まずリズムは下記の通りです。
29

MIDIでノートを打ち込む時には楽譜の通りに打ち込むとノリが出ないため、1拍目のノートを16分長く伸ばしてみました。4小節目の1拍目はアクセントが付いているので実際は8分音符の長さにしてます。

ルール⑨空間を埋めよう!

みなさんはパッドというのをご存じでしょうか?先ほどまではコードをピアノやエレピで刻んだりしたと思いますが、今度はその後ろで空間を埋めるパッドの簡単な打ち込み方を紹介します。
パッドは音に厚みが欲しい時にとても有効です。サビとかに使っても良いですね。音もストリングやシンセパッドを使ってみましょう。

和音のボイシングが決まったら共通した音をグルーツールでつなげていきます。
つなげる前とつなげた後だと、音が伸びやかにスムーズになりますね。

ルール⑩バラバラにしてみよう!

バラバラにしてみる、、とはなんだろう、となると思いますが、これは音楽用語で言うアルペジオというものです。
アルペジオは和音をバラバラに崩して規則的に並べたものです。実は簡単なアルペジオからもの凄い難しいアルペジオまで幅広くあるのですが、今回はとても簡単に並べる方法をご紹介します。

まずは和音を打ち込むのですが、長さを少し短くしてみましょう。これはお好みで長さを決めてみてください。
シンセで言うとプラックサウンド等を使ってみるのも良いですね。
ボイシングは揃えた方が自然に聞こえるでしょう。

この時、3和音を下から①②③とし、規則的に並べていきます。
アルペジオパターン1
①→②→③→②→①→②→③→②と並べたパターン

アルペジオパターン2
①→③→②→③→①→③→②→③と並べたパターン

アルペジオパターン3
4音3連符パターン
4和音なら簡単ですが、3和音でもルートを1オクターブ上に重ねれば4音で出来ます。

①→②→③→④→③→② ①→②→③→④→③→②
と並べていきます。

ランダムになりすぎるより、ある程度規則的に並んでいると人間の耳にもパターンが認識しやすくなりより、心地よく聞こえます。

緒方講師
いかがでしたでしょうか。なかなか盛りだくさんになってしまったと思いましたね。もちろん最初はコードを打ち込む事ってとてもストレスになる事だと思いますが、ここでの記事が役に立つと良いなと思っております。くじけずにポチポチと一音ずつ和音を打ち込み、いつかサクサクと打ち込めるように頑張りましょう!!

それでは最後まで読んで頂きありがとうございました。

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